酒好き達の酒器づくり– category –
-
酒好き達の酒器づくり
流離いのクリエイター(交流篇 2)
「乾杯ー!」 衣笠の掛け声とともに宴が始まった。衣笠は夢前町で大規模農場を経営している夢前夢工房の社長である。若手の農家育成にも力を入れており、飯塚と小山内も彼の元で修行を積んだのち独立している。衣笠は自分が育てた飯塚と小山内が、町内で日... -
酒好き達の酒器づくり
流離いのクリエイター(交流篇 1)
https://youtu.be/W4uA59v0jGY 雪彦登山を終えた岡と壺坂、山本は、車を南へと走らせた。壺坂酒造に立ち寄り酒蔵見学をした後、飯塚の田んぼへと向かった。田んぼで米農家の飯塚と合流して、酒米の様子を見学しながら夢前町を南に下っていく。そろそろ陽が... -
酒好き達の酒器づくり
流離いのクリエイター(雪彦山篇 4)
「さあ、そろそろ戻ろか。」 弘がバッグを持って立ち上がり下山の宣告をした。これから登ってきた超急勾配を今度は逆に下りなければならない。登山は登るよりも下る方が神経を使い危険を伴う。一行は山本弘を先頭に登山道を下っていった。 下りの山道でも... -
酒好き達の酒器づくり
流離いのクリエイター(雪彦山篇 3)
ここから先も清流沿いの道を登っていくのだが、この先の道には今までになかった特徴が二つ発見された。一つは、これは道と言えるのだろうかと疑うほどの急な傾斜である。垂直と言えば大げさすぎるが感覚的にはそれに近いものがある。もう一つは、道に沿う... -
酒好き達の酒器づくり
流離いのクリエイター(雪彦山篇 2)
登山道はいきなり下り坂であった。急勾配の坂を下ると、ほどなくして平坦な山道に辿り着く。 凹凸もさほどない歩きやすい一本道である。これぐらいなら山道に不慣れな者でもいけそうだ。 今しがた降りてきた坂を見上げると登山口は遥か上にあり、もはや道... -
酒好き達の酒器づくり
流離いのクリエイター(雪彦山篇 1)
大木が陽を遮り、日中でもほの暗い山の奥。人の三倍くらいあろう大きな岩はしっとりと苔むし、聞こえるのは勢いよく流れる渓流の音ばかり。 「ワァ────!」 静かな山中で叫び声が響き渡った。そして、川沿いにある急傾斜の登山道を勢いよく滑り落ちていく... -
酒好き達の酒器づくり
東京から来た料理人(5)
【人と人が出会う土地・播磨】 風土記とは八世紀初頭に地方の状況を把握するために全国各地で編纂され、中央に提出された公文書である。元々は数十ヶ国分あったと考えられるが、現存するのは出雲(いずも)、常陸(ひたち)、肥前(ひぜん)、豊後(ぶんご... -
酒好き達の酒器づくり
東京から来た料理人(4)
壺坂酒造にて杜氏の壺坂 壺坂酒造ではこの日開催されていた蔵開きイベントがそろそろ終了しようとしていた。遅れてやって来た城田と関が壺坂酒造の店内に入ると、壺坂と飯塚が笑顔で出迎えた。お土産にと自家製のからすみを壺坂に手渡す城田。紀風の料理人... -
酒好き達の酒器づくり
東京から来た料理人(3)
且緩々(しゃかんかん)に戻ると、山本弘はすでに到着していた。且緩々の中はレストランの手前にロビーがあり、彼はここでコーヒーと一緒にお菓子を食べながら喫茶店さながらにくつろいでいた。お茶はロビーで誰もが飲めるようにサービスで置いているのだ... -
酒好き達の酒器づくり
東京から来た料理人(2)
且緩々の前で城田(右)と関 且緩々(しゃかんかん)は四月の土探しで一番最初に訪れた福岡が経営する店である。ビュッフェスタイルで地元の旬食材を楽しめる人気のレストランで、田舎の山奥にも関わらずこの日もたくさんの人で賑わっている。城田と関は銘...