太郎や次郎が雨を呼ぶ

梅雨の晴れ間の青空に、むくむくとそそり立つ大きな雲を見かけるようになりました。入道雲です。発達した積乱雲で、雨をもたらします。周りが山に囲まれた日差しが激しい盆地でよく見られ、一定の場所に現れるのが特徴です。

山に囲まれた日差しの激しい盆地、関西でこの条件に見事に当てはまるのが京都です。京都は入道雲のメッカともいえる地域。それゆえに入道雲に様々な名前がつけられました。

京都から見て北西の丹波方面に現れるのは「丹波太郎」。南東から山城地域を通ってやってくるのは「山城次郎」。北東の比叡山に見えるのは「比叡三郎」。南西の大阪からやってくるのは「和泉三郎」。彼らは東西南北、四方から攻めてきては、夏の京都に大雨を降らせます。

人の名前、しかも男の子ばかりというのも面白いところです。夏の激しい雷や夕立、青空にそそり立つ勇壮な立ち姿は、男性をイメージさせたのでしょうか。雲に人名をつけるあたりに、自然への親しみが見られます。

京都以外でも入道雲には地域名がたくさんありますが、やはり「太郎」が多いようです。

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