歳時記– category –
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歳時記
秋深し
秋という季節には、どことなく寂しさや孤独感がつきまといます。秋が深まり肌寒くなってくると寂寥感はいっそうつのるようです。 「秋深し」という言葉は、単に時間経過による季節の変化だけを表すのではなく、「秋」と「寂寥感」という自然と感情をセット... -
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十三夜
お月見といえば十五夜ですが、もう一つ「十三夜」と呼ばれる日本独特のお月見があります。旧暦9月13日の夜が十三夜となり、2021年は今日、10月18日に当たります。十三夜はちょうど稲刈りの時期と重なるため、秋の恵みに感謝しながら月を眺める風習がありま... -
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中勘助の秋
明治生まれの詩人であり小説家の中勘助は、小説「銀の匙」で一躍有名になりました。夏目漱石が手放しで絶賛したと言われる名作として知られています。とてもきれいな文体で綴られ、子どものような透き通った心がそのまま文字になって現れたような小説です... -
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稲田の神様?
人の姿を形どって鳥獣害避けに田畑に立てられるカカシ。本体は竹や藁で作り、古着を着せられたり帽子をかぶっていたり。作る人によって個性が表れ、様々なバリエーションが見られます。 古代、カカシは「そほづ」と呼ばれていました。これは日本神話に登場... -
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引越し大名
明治元年10月13日、明治天皇が京都御所から江戸城(現在の皇居)に入城されたことを記念して、10月13日は引越しの日と定められました。 江戸時代、引越しばかりをしていた大名がいました。松平直矩。徳川家康のひ孫であり、先日のカミングアウトデーで紹介... -
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移菊
白菊は開花当初は真っ白ですが、秋が深まるにつれて花の端が徐々に紫の色味を帯びてきます。霜があたり変色したいわゆる「霜焼け」状態なのですが、白と紫のグラデーションは美しく、「移菊(うつろいぎく)」と呼ばれています。 さえざえと今朝咲き盛る白菊... -
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カミングアウトは既にしていた
10月11日はカミングアウトデー。LGBTQの人々を祝い、認知度向上を目指して制定されました。1987年10月11日アメリカのワシントンで、差別撤廃とエイズ治療予算増加を訴えるため、ゲイとレズビアンによる行進が行われました。これをきっかけに多くのLGBT団体... -
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赤のまんま
秋になると野原や田畑の脇に、紅紫色をした粒状の小さな花が咲き出します。犬蓼(イヌタデ)の花です。植物の名称に「犬」がつくものは「あまり役にたたない」という意味があるそうですが、この花は昔の子供にとっては大変役に立つ花でした。赤い花を米粒に... -
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砧の型
麻やこうぞなど植物繊維でできた布は、洗うと硬くなるので、昔は木槌で布を打ち付けて柔らかくしていました。それに使う台を砧(きぬた)といいます。今でいうアイロンのようなもので、現代ではほとんど見られませんが、昔は女性がする夜なべ仕事の一つでし... -
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〈寒露〉
この月冷感次第につのり、露むすんで霜とならんとするゆゑ、寒露と名づく。(改正月令博物筌より) 二十四節季の一つ、露(つゆ)が霜(しも)になるほど冷気を感じ出す頃を寒露(かんろ)といいます。2021年は10月8日に当たります。 秋半ばから末にかけて、冬ほ...