歳時記– category –
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歳時記
水仙の香りは
小原古邨/藁囲いと水仙に茅潜 日本三大水仙群生地として知られる淡路島では今、たくさんの水仙が花開き、2月中旬にかけて見頃を迎えます。天に向かってすっと茎を伸ばし、可憐な白い花をつける水仙の姿は、清楚で女性的です。 とんちで知られる一休さんこ... -
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花の色は見えずとも
小原古邨/雪中の梅に緋連雀 暦の上では初春を迎えましたが、まだまだ寒さ厳しい1月。灰色の景色の中、ぽつぽつと梅の花が咲いているのを見ることがあります。 早咲きの品種もありますが、気温や日当たりなどで思いがけず早く咲いてしまったものも。「早梅... -
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鏡開き
1月11日は鏡開きの日。鏡開きは、お正月の間に神様の宿った鏡餅を割って食べることで、家族の無病息災を祈る行事です。 神様の依代となった鏡餅、刃物で「切る」のは縁起が悪いので手や木槌などで割ります。呼び方にも気を使い、鏡を「開く」と末広がりの... -
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情報にあふれた現代、物にあふれた一昔前
1月10日、今日は成人の日です。法改正により、今年2022年4月から成人年齢が20歳から18歳に変わります。 情報社会の現代、10代の若者の間で当たり前になっていることの一つに、ドラマや映画、アニメなど映像作品の倍速視聴があります。10秒飛ばしや1.5倍速... -
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冴ゆる
土屋光逸 /日比谷の月 「冴ゆる」という言葉には冷たく凍るという意味に加え、澄むという感覚も含まれています。混じり気のない凛とした透明な冷たさを感じさせる「冴ゆる」は、「冷たい」よりももっと鮮烈で情を廃した温度感や美しさがあるようです。身を... -
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冬に咲く花
上村松園/庭の雪 厳しい寒さが続く冬は、咲く花の種類も限られています。花の少ない季節、昔の人は降り積もる雪を花に見立ててきました。 天花(てんげ)は天から降る雪のこと。六花(むつのはな)も六角に結晶する雪を指します。牡丹雪は気温が高い時に降る... -
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若菜摘
今日は正月七日。七草粥を食べる方も多いのではないでしょうか。今ではスーパー等で「七草粥セット」が売られていますが、一昔前までは野原で若菜を摘んでいました。 七種の若菜を摘むことを「若菜摘」といいます。新春とはいえまだまだ凍てつく寒さの中、... -
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鏡餅がうつすもの
丸いお餅を重ねててっぺんに橙をのせた鏡餅は、お正月の定番のお飾りです。 鏡餅はお正月にお迎えした年神様が宿る依代と言われています。鏡餅の名の由来は、日本神話に登場する三種の神器の一つ、八咫鏡(やたのかがみ)からきています。また、餅が二段に... -
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小寒
小村雪岱/雪の朝 今日1月5日は24節気の一つ「小寒」です。小寒は「寒の入り」ともいい、小寒から節分までを「寒の内」といいます。一年の中でも寒さがますます厳しくなる時期です。 うす壁にづんづと寒が入りにけり一茶 この句を詠んだ一茶が当時住んでい... -
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行く年
川瀬巴水/東京十二題 雪に暮るゝ寺嶌村 大晦日は「おおつごもり」ともいいます。「月隠(つきごもり)」から派生した言葉で、「大きい月隠」の今日、一年が終わります。 いづくにも惜しみあかさぬ人はあらじ今宵ばかりの今年と思へば藤原基俊 「行く春」「...