2021年– date –
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歳時記
凩(こがらし)
11月前後に吹く冷たい風を「凩(こがらし)」といいます。木の葉を落として枯れ木にする風、という意味です。 木枯らしや 目刺しに残る 海の色芥川龍之介 木枯らしが創り出す灰褐色の風景に、一点、メザシの目に光る深く鮮やかな海の碧。素朴な情景であり... -
歳時記
武田信玄のトイレットオフィス「甲州山」
11月10日は「い(1)い(1)ト(十)イレ」の語呂合わせで、トイレの日に制定されています。 トイレは超個室空間。中で考え事をしたり本を読んだりと長時間滞在する人も少なくありません。そんなロングステイ・トイレの元祖が、ちょっとお腹が弱かった戦国武将・... -
歳時記
小春
川合玉堂/小春 「小春(こはる)」とは11月から12月上旬くらいの時期を指し、小六月ともいわれています。この頃は暖かい日和が続き、まるで小さい春が来たような気候となるため、この名が付けられました。 昔の農村では「田植布衣(ぬのこ)に麦時はだか」と言... -
歳時記
#零票確認ガチ勢
昨今、選挙投票日の朝になると、twitter上で「#零票確認ガチ勢」などのハッシュタグがトレンド上位で賑わいを見せるようになりました。 選挙当日に一番乗りをした人は、投票箱に何も入っていない(不正が行われていない)ことの確認として投票箱を開ける... -
歳時記
今朝の冬
川合玉堂/ 高原入冬 二十四節気の一つ「立冬」は冬の始まりの日。2021年は今日、11月7日に当たります。気温がまた一段と下がり、日が落ちるのも早く感じられるようです。 立冬の日の朝のことを「今朝の冬」といいます。朝の冷え込みを感じながら、今日から... -
歳時記
落穂
ジャン=フランソワ・ミレー /落穂拾い 稲刈りが終わった後、昔は手刈りだったため取りこぼした稲穂があちらこちらに落ちているのが見られました。昔は落穂はそのままにしておいて、手伝人や貧しい人に持ち帰ってもらう慣習が各地にありました。海外にもそ... -
酒好き達の酒器づくり
流離いのクリエイター(交流篇 3)
翌朝、今西と岡と飯塚の三人はサンピアのレストランで朝食をとっていた。昨夜は午前3時過ぎまで呑んでいたにもかかわらず、元気な三人である。この日も好天に恵まれ、窓からは初秋の涼しげな朝日が差し込んでいる。 岡は食後のコーヒーを飲みながら、酒器... -
歳時記
かりがね
雁は秋になると北方からやってくる渡り鳥です。カリカリ、かーんかーんという鳴き声が印象的で、秋の空に遠くまで響き渡ります。その憂いを含んだ声は古代人の心にも響き、「雁が音(かりがね)」と呼ばれ、それが現代では雁そのものを指す言葉となりました... -
歳時記
文化の日
高橋由一 /明治天皇尊影 11月3日は文化の日。今日は明治天皇の誕生日で、昭和23年に国民の祝日に定められました。明治天皇は近代と復古を両立させた稀代の天皇です。当時世界中の誰もがあり得ないと考えていたアジアの近代化をわずか十数年で成し遂げた日... -
歳時記
戦国のラッキーフード
河鍋暁斎/栗と栗鼠図 古くは縄文時代から主食として食べられていた栗ですが、その保存技術も同時に発達してきました。 栗の実をカラカラになるまで乾かして、臼で搗(か)いて殻と渋皮を取り除いたものを搗栗(かちぐり)といいます。戦国時代にはその保存性か...