2022年– date –
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歳時記
マルクスは今も生きているか
昭和11年(1936年)2月26日、若い陸軍将校達が軍隊を動かして政財界人を殺害し、クーデターを起こしました。二・二六事件です。 当時は世界大恐慌時代。日本全体が不景気で庶民は貧しい暮らしを強いられる中、一部特権階級は裕福であったことに、疑問と不... -
酒好き達の酒器づくり
夢前に集う(1)
3月17日、春風とともに姫路駅の新幹線ホームに一人の男が降り立った。すらりとした背格好に爽やかな笑顔、颯爽とホームを歩く男の後ろ姿は澄み渡る風のようである。そして背中に背負った大きなバッグには、使い込んだ銅鍋が爽やかにくくり付けられてあった... -
歳時記
不器男の世界
2月24日は、明治生まれの俳人・芝不器男(しばふきお)の忌日で不器男忌といわれています。不器男は「ホトトギス」の投句で高浜虚子に認められ、一躍有名となりましたが、26歳という若さで夭折しました。古語を駆使した情緒ある、内観的な作風が愛されていま... -
歳時記
炊煙の和歌
仁徳天皇陵古墳(大阪府堺市) 天皇誕生日は今上天皇の誕生を祝う国民の休日です。昭和23年までは天長節(てんちょうせつ)と呼ばれていました。日本の古い記録では、775年に光仁天皇の誕生日をお祝いしたことが文献に残されています。 日本の天皇は世界で... -
歳時記
世界初の憲法
622年2月22日に聖徳太子が薨去(こうきょ)しました。この日を偲び、聖徳太子ゆかりのお寺では太子会が行われています。 聖徳太子は十七条憲法を作ったことで知られていますが、これは成文憲法としては世界初のものです。 また、「和を以て貴しと為す」の一... -
歳時記
春浅し
川合玉堂/竹渓浅春 暦の上では春になったとはいえ、2月はまだ寒く、春らしさはほんの少ししか感じられません。まだ春は浅い、そんな物足りなさのような心持ちを含む言葉が「春浅し」です。 春浅き だんだら小田の畔(くろ)の木のゆらぎ光りて芹(せり)つむ... -
酒好き達の酒器づくり
【歴史コラム】播磨の神々の我慢比べ
播磨国風土記には一風変わった神々の我慢比べが記されている。 大汝命(おおなむちのみこと)と少比古尼命(すくなひこなのみこと)が国造りのために播磨を巡っていた時のこと。大汝命が少比古尼命に我慢比べをしようじゃないかと持ちかけた。自分はトイレを我... -
歳時記
雨水
二十四節気の一つ「雨水」は、雪が雨に変わる、または雪が溶けて水になる頃、という意味です。2022年は2月19日にあたります。雨水は昔から農耕の準備をはじめる目安ともされてきました。雪が溶けて閉ざされた大地が顔を出し、季節は徐々に芽吹きの季節へと... -
酒好き達の酒器づくり
米が酒に、土が器に(3)
丹波篠山では今西が土の仕込みを行っていた。昨年4月に夢前で採取した土は、今西の手により長い時間をかけて陶土に精製されていたのである。 採取した土は、余分な水分を取り除くために土嚢袋に入れた状態で数ヶ月寝かしておく。適度に水分が抜けると袋か... -
歳時記
私のココロはそれほどぺらくない
立春も過ぎ、暦の上では春になりましたが、まだまだ寒い日が続きます。それでも池などに張った氷は以前よりも薄くなり、春の兆しを思わせます。初春に見られる薄く張った氷や、溶け残って薄くなった氷のことを「薄氷(うすらい/うすらひ)」と言います。 佐...