連載– category –
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歳時記
〈寒露〉
この月冷感次第につのり、露むすんで霜とならんとするゆゑ、寒露と名づく。(改正月令博物筌より) 二十四節季の一つ、露(つゆ)が霜(しも)になるほど冷気を感じ出す頃を寒露(かんろ)といいます。2021年は10月8日に当たります。 秋半ばから末にかけて、冬ほ... -
酒好き達の酒器づくり
流離いのクリエイター(雪彦山篇 3)
ここから先も清流沿いの道を登っていくのだが、この先の道には今までになかった特徴が二つ発見された。一つは、これは道と言えるのだろうかと疑うほどの急な傾斜である。垂直と言えば大げさすぎるが感覚的にはそれに近いものがある。もう一つは、道に沿う... -
歳時記
荻の声、秋の声
荻(おぎ)はイネ科の植物で、穂を風になびかせる様子はススキによく似ています。荻の特徴は水辺に育つことと、穂が白いこと。穂が風にそよぐ音は秋を知らせるといわれ、「荻の声」と呼ばれています。 「をぐ」には神や霊魂を招くという意味があり、荻が風... -
歳時記
ススキの見え方
平安時代の女流作家、清少納言の「枕草子」に、ススキについて述べた一文があります。 秋の野の素晴らしさはススキにこそある。蘇芳色に色づいた穂先が朝霧にぬれ、風になびく様はこの上ない。しかし、秋も終わりになると見所がなくなる。頭が白くボサボサ... -
歳時記
木の命、肉の命
法隆寺をはじめ、貴重な建築物の数々を再建し「最後の宮大工棟梁」と呼ばれた人がいました。西岡常一氏は、宮大工の道を極めた大人物であり、その著書で木の命(ここでは檜)について明言されています。 木の命には二つありますのや。一つは今話した木の命... -
歳時記
胡桃
9月30日は「く(9)るみ(3)はまるい(0)」ということで、胡桃の日です。胡桃は紀元前7000年から食べられていたことがわかっている最古の食用木の実と言われています。日本でも縄文時代の遺跡から胡桃の殻がたくさん発見されています。中には胡桃の殻を模した... -
歳時記
酒の秋
酒の中にも秋はひそんでゐる。夏の間は、ビールで誤魔化してゐたものの、すでにあの紙よりも薄い小さな杯のみが私の手にはふさはしくなるのである。久しく忘られてゐた酒の味が、新しく蘇る。この酒の味に接して、始めて秋を新しい季節だと感ずるのである... -
歳時記
蒲
蒲(がま)は池や沼などの水中で繁殖し、秋になると細長く茶色い穂を出します。ウインナーのようにも見えるユニークな形をしている蒲は、蒲鉾(かまぼこ)の名の由来になっています。 西暦260年頃、神功皇后が旅をしていた道中に生田の社(兵庫県神戸市)... -
歳時記
桐一葉
桐の花は他の植物に比べて早く落葉します。大きな葉が落ちる音に、いち早く秋の訪れを感じられることから「桐一葉」という言葉が生まれました。 「一葉落ちて天下の秋を知る」とは、わずかな前兆から将来の大きな動きを読み取る、という意味です。季節でも... -
歳時記
AIの時代を生き抜く
セルフレジや掃除ロボット、無人運転、オンライン診療、オンライン授業、ドローンによる警備や農薬散布など、AIの導入が身近に多く見られるようになってきました。 早く正確で人件費もかからないと利点が多く、それに加えてコロナの影響で「人との接触を減...