連載– category –
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歳時記
「若楓」に込めた思い
楓というと真っ先に思い浮かぶのは鮮やかな紅葉かもしれませんが、初夏の頃の若葉の美しさも格別です。本格的な夏になる頃にはしっかりとした緑となりますが、その前の初々しい初夏の淡緑の爽やかさには心惹かれるものがあります。 萌え出たばかりの新芽を... -
歳時記
からかわ
「からかわ」は兵庫県の山椒を使った郷土料理です。通常、山椒は実や若葉を使いますが「からかわ」は山椒の木の皮を使います。まだ寒い早春の頃、山椒の木の皮をはいで細く切り、茹でてあく抜きをしてから佃煮にします。 恐るべきはその味。ほんの少し口に... -
オリオンとネギ
春のジャガイモ / その2
ばんごんじんじいのじゃがいも畑 昔、ジャガイモはヨーロッパで「悪魔の植物」と呼ばれていました。 ジャガイモの故郷は、南アメリカ大陸のアンデス高地(中央アンデス、現在のペルーからボリビアを走る山岳地帯)だと言われています。1532年にインカ帝国... -
酒好き達の酒器づくり
臨済寺(りんざいじ)
https://youtu.be/CQfgsfBaBSQ 臨済寺・登場人物紹介 且緩々を出た一行は車に乗り込み、夢前川沿いを南へ下っていく。車中から外に目をやると、浅い緑深い緑と目にも爽やかな新緑のトンネルが続き、そこを通り抜けると山の中にひっそりと佇む臨済寺の駐車... -
歳時記
蕗と癖
初夏の頃の蕗は、葉柄(ようへい)を地面からすっと伸ばして傘のような丸い柔らかな葉を広げています。葉柄も葉もどちらも食用となり、葉柄は煮物に、葉は蕗の葉味噌などにして食べると美味。香り高くほろ苦い風味が好まれています。 蕗はアク抜きが大変と... -
歳時記
筍流し
食用の竹には孟宗竹、淡竹(はちく)、真竹(まだけ)などが挙げられます。最も美味とされるのは孟宗竹の筍で春に土から顔を出します。淡竹と真竹はやや遅れて5月中、下旬頃から。風味の良さとコリコリした食感から、通に好まれる筍です。 「筍流し」とは筍が... -
歳時記
牡丹と岡本かの子
5月の始め頃に大輪の花を咲かせる牡丹。紅、淡紅、黄色、白など色も様々、花弁を何層にも重ねて咲く様は重厚かつ華やかで、高貴な佇まいは花王の名にふさわしいものです。和名では深見草(ふかみぐさ)とも呼ばれています。 大正、昭和期に生きた小説家・... -
歳時記
田植えを促す時鳥(ホトトギス)
春の花、夏の時鳥(ホトトギス)、秋の月、冬の雪が四季を代表する詠題とされるほど、昔の人にとっては馴染み深かった時鳥ですが、現代ではこの鳥を都会で見かけることはほとんどなくなってしまいました。 春から初夏にかけてやってくる渡り鳥ですが、昔は... -
歳時記
竹落葉
普通、落葉性植物は秋に葉を落としますが、竹や笹などは初夏に落葉します。3月から4月頃に竹の葉が黄色くなってくるのは、親竹が養分を筍の生育に使ってしまうから。まるで秋のように見えることから、陰暦3月のことを「竹秋」とも言います。筍が若竹に成... -
五色浜の四季
鰆流せ(はるながせ)
【淡路島の西海岸・五色浜】 兵庫県の瀬戸内海に浮かぶ淡路島。古くは御食国(みけつくに)として朝廷に食材を貢いでいたほど、食物が豊富に獲れる土地である。日本の平均食料自給率が40%に満たない現代でも、淡路島は食料自給率が100%を超えている。まさ...