歳時記– category –
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歳時記
かりがね
雁は秋になると北方からやってくる渡り鳥です。カリカリ、かーんかーんという鳴き声が印象的で、秋の空に遠くまで響き渡ります。その憂いを含んだ声は古代人の心にも響き、「雁が音(かりがね)」と呼ばれ、それが現代では雁そのものを指す言葉となりました... -
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文化の日
高橋由一 /明治天皇尊影 11月3日は文化の日。今日は明治天皇の誕生日で、昭和23年に国民の祝日に定められました。明治天皇は近代と復古を両立させた稀代の天皇です。当時世界中の誰もがあり得ないと考えていたアジアの近代化をわずか十数年で成し遂げた日... -
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戦国のラッキーフード
河鍋暁斎/栗と栗鼠図 古くは縄文時代から主食として食べられていた栗ですが、その保存技術も同時に発達してきました。 栗の実をカラカラになるまで乾かして、臼で搗(か)いて殻と渋皮を取り除いたものを搗栗(かちぐり)といいます。戦国時代にはその保存性か... -
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縄文の栗
秋の味覚を代表する栗。栗ご飯や渋皮煮、マロンスイーツなど栗に関する美味しい話題は事欠きません。 そんな栗と日本人の関係は古く、縄文時代からよく食べられていたことがわかっています。縄文人は様々な木の実を食料としていました。どんぐり、とちの実... -
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ハロウィンは日本人の感性に近い?
10月31日はハロウィンです。日本では仮装パーティを楽しんだりしますが、昨今はコロナ事情もあり、オンラインゲームでの仮装イベントも定番となっています。 ハロウィンの期限は、古代ヨーロッパのケルト民族のお祭りにあります。古代ケルトでは11月1日が... -
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洗練の極み
川瀬巴水/房州鴨川 10月30日は初恋の日。1896年のこの日に、島崎藤村が初恋の詩を発表したことがきっかけとなり制定されました。 日本の和歌の真髄は恋の歌。中でも新古今和歌集に採録された、恋心の芽生えを詠んだ式子内親王の歌は秀逸です。 しるべせよ... -
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ライトアップはなかった
見る人もなくて散りぬる奥山のもみぢは夜の錦なりけり紀貫之 この和歌を初めて知った時、私の目の前には月明かりに照らし出された真っ赤なもみじや、ライトアップされた幻想的な紅葉の景色が浮かんできて、夜の山は華やかで艶やかな景色が広がっていると解... -
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春と秋、どっちが好き?
川合玉堂/日光裏見滝 万葉集の第一巻には、春と秋のどちらが趣があるかを漢詩で競った宴の様子が記されています。春と秋、それぞれにいくつもの漢詩が詠まれた後、天皇はその場にいた額田王に「どちらが趣があったか?」と尋ねます。その時、額田王が返答... -
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原子力発電と再生可能エネルギー
10月26日、今日は1963年に東海村で日本初の原子力発電が行われたことから「原子力の日」と定められています。また、この記念日に因んで各地で原子力反対運動が行われる日でもあります。 原子力発電は安定的に膨大な電力を生み出しますが、想定外の自然災害... -
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〈霜降〉
安井曾太郎 秋の奥入瀬 二十四節気の一つ、朝晩の冷え込みが増して山里では霜が降り始める頃を「霜降(そうこう)」といいます。秋も一段と深まり、そろそろ冬の気配が少しずつ感じられるようになってきます。 この頃になると山も紅く色づいてきます。紅葉...