歳時記– category –
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歳時記
藤布(ふじふ)
藤布(ふじふ)とは藤の蔓を細く剥いで糸を作り織り上げた布のこと。ざっくりとした素材で通気性の良さから、昔は夏衣の一つとして日常に使われていました。明治時代を迎え木綿の大量生産が可能になると同時に、藤布は衰退します。今では夏帯などで僅かに... -
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〈立夏〉新緑と白のコントラスト
【】 二十四節気の一つ、現在の暦で5月5日頃〜5月20日頃にあたり、暦の上ではこの日から夏が始まります。陰暦4月(現在の5月)を卯月というのは、この季節に卯の花が咲くから。若葉の緑に白い花のコントラストはいかにも初夏らしく、開放的で爽やかな空気... -
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粽・笹巻(ちまき)
もち米や粳の粉、葛粉などを水で練って、笹の葉や茅の葉などで巻き、蒸したり茹でたりしたもの。5月5日の端午の節句に男の子のお祝いとして食べる伝統食です。 ちまきは中の「だんご」もさることながら、熊笹や茅の葉、竹の皮、いぐさなど、包む葉や巻き方... -
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藤
蔓性の落葉灌木で、十数メートルの高さに登るものもあります。紫色をした花序の枝垂れる様は、花咲き誇る華やかな春の終わりを締めくくるにふさわしい、晩春を象徴する花です。 優艶なその花姿に対して、幸田露伴は「これの秋咲くものならぬこそ幸なれ」と... -
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蛙のめかり時
つとめすと寝もせで夜を明かす身にめかる蛙の心なきこそ 藤原光俊 「蛙(かわづ)のめかり時」とは晩春の眠気をもよおすような季節のこと。カエルが人の目を借りる(目借り)から人は眠くなるのだといわれていますが、別の説では「妻(め)狩り時... -
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八十八夜
立春から数えて八十八日目にあたる日。農家にとっては昔から大切な日であり、この日から本格的に農作業が始まる節目の日とされています。 「八十八夜の別れ霜」という言葉がありますが、この頃を境に霜が降りなくなり、天候が安定していきます。霜は春夏の... -
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八重の山吹
七重八重 花は咲けども山吹の みのひとつだになきぞあやしき兼明親王(914-987年)山吹は七重八重と花は咲くが、実が一つも無い。その山吹と同じように我が家にも蓑一つさえないのです。 雨の降る日、太田道灌が蓑を借りたいと言ってたずねたら、山吹とこの... -
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柳
薄緑の若い葉をつけた柳は、晩春の季題とされています。柳と名のつく植物は多数ありますが、ことさら枝垂れているものに趣があると親しまれてきました。「柳の糸」「嬌柳」などの言葉から、やわらかい女性的な印象がある柳。春、とくに晩春の景色を彩る植... -
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〈穀雨〉種蒔きや田植えの目安となる、春の柔らかな雨
【】 二十四節気の一つ、現在の暦で4月20日頃〜5月4日頃にあたる。雨が百穀を潤し芽を育むという意味。種蒔きや田植えの目安とされており、この時期に降る春の柔らかな雨が田畑を潤し、作物の成長を促すといわれている。 あしびきの山の桜の色見てぞ をち... -
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〈清明〉万物が生気に満ちた清々しく明るい季節
【】 二十四節気の一つ、現在の暦で4月5日頃〜19日頃にあたる。清浄明潔(しょうじょうめいけつ)の略語ともいわれている。東南風(清明風)が肌に心地よく、草木萌え花が咲き出し、万物が生き生きとする清々しい明るい季節を表している。 うらうらに照れ...