連載– category –
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歳時記
雨(あま)つつみ
昔は田植前の長雨の頃、田の神様をお迎えするために禁欲生活をする習慣がありました。物忌みをして豊作を祈願したその時期を「雨つつみ(あまつつみ)」と言います。 禁欲生活のさなか、男女が逢えない辛さや満たされない思いなどを憂いつつ、ぼんやりと外... -
歳時記
夏越の祓
神社では一年を二つに分ける6月と12月の終わりに、それまでの半年分の穢れを祓います。新しい季節を迎えるために心身を清めるのです。 元は、伊邪那岐命(イザナギノミコト)の禊祓(みそぎはらえ)に端を発します。 亡き妻・伊邪那美命(イザナミノミコト... -
歳時記
木槿の花
夏になると大輪で華やかな花を咲かせる木槿(むくげ)。木は三メートルほどに成長し、たくさんの花をつけるので、木が1本あると夏はその場がぱっと華やかになります。 次々とたくさんの花を咲かせるので夏の間中咲いているように見えますが、花一つ一つの... -
歳時記
雨の情景
梅雨は南方沖にできる梅雨前線により生じる雨季の一種で、通常は6月頃から1ヶ月〜1ヶ月半ほど続きます。 じめじめとして憂鬱な季節というイメージがある梅雨。しかしながら雨が多い地域では、憂いを含んだ雨の情緒を楽しむ、という感性も育まれてきました... -
歳時記
田んぼがある風景が育むもの
今時分は少し地方に行くと、野山を背景にして水をたっぷりとたたえた田んぼがある風景を見ることができます。しかしながら、都心部に田畑はありません。ガーデニングやビルの屋上の菜園などあることはあるのですが、「田んぼと人が作り出す田舎の風景」と... -
酒好き達の酒器づくり
初めての体験
夢前町での土探しの旅の後、壺坂と飯塚と今西と石丸は、ラインで連絡を取り合いながら親交を深めた。2018年5月には飯塚が丹波にある今西の窯を訪れ、6月には壺坂が今西の東京個展へ出向いた。窯焼き真っ最中の陶芸家を訪れるのは初めての飯塚。人生初めて... -
歳時記
ドクダミの見方
日陰の少し湿った土地に群生し、独特の香りがあるどくだみ。初夏に可憐な白い花をつけます。民間薬として古くから知られていますが、もう一つ特徴を上げるとするなら、名前がとても多いことです。 ドクダメ(毒溜め)ドクダンドクトマリドククダシハッチョ... -
歳時記
万能薬か不吉な植物か
枇杷(びわ)は冬に花を咲かせ、夏の初めにオレンジ色の実をつけます。実の形が楽器の琵琶に似ていることから「びわ」と名付けられました。 さて、この枇杷の木ですが、家の近くに植えると縁起が悪いとされているのをご存知でしょうか。庭に枇杷を植えると... -
歳時記
カラスの子
淡路島の西海岸、5月の初め頃のこと。カラス夫婦が背の高いもみの木のてっぺん辺りに巣を作りました。しばらくすると木の上から朝晩「ぐえっ、ぐえっ」と声がするように。雛が生まれたようです。親ガラス達は、来る日も来る日も畑に降り立っては餌を探し、... -
歳時記
〈夏至〉
【】 二十四節気の一つ、現在の暦で6月21日〜7月6日頃にあたります。一年中で一番昼が長い日です。まだ梅雨の最中ではありますが、この日からまた一段と夏らしさが際立ってきます。 関西では夏至にタコを食べる風習があります。タコ足のように稲の根が八方...