歳時記– category –
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歳時記
枯野に咲く花
草や木は枯れ虫も消え、荒涼とした冬の野を「枯野」と言います。蕭条たる景色はまた、小さな命を際立たせます。 霜さゆるあしたの原の冬枯れて一花咲ける大和なでしこ藤原定家 -
歳時記
進化するエモい
上村松園/月下佳人 「エモい」という言葉が市民権を獲得して随分経ちました。エモいは「emotional(エモーショナル)」を語源としています。感情を動かされた、感動した、ノスタルジック、しみじみとした、寂しい、ヤバい、悲しい、など様々な感情を複合的... -
歳時記
猫の一句
猫は寒さが苦手な動物。冬になると少しでも温かい場所を見つけては丸くなっています。 今ではコタツやストーブの前、ホットカーペット等が冬猫達の定位置ですが、昔は竈(かまど)の中が人気スポットだったそうです。火を落とした後のまだ温かい竈の中に潜... -
歳時記
木を守っているのは
実りの秋が終わり冬を迎えると、果実のなる木の高いところに一つだけぽつんと実が残っていることがあります。柿や柚子などの柑橘系の果樹に見られます。 これは、来年もたくさん実をつけるように、というおまじないの意味があるとか、小鳥の分を残しておく... -
歳時記
時雨の“時”
時雨(しぐれ)とは、山に強い北風が吹きつけることで雨を降らせた残りの水蒸気が、山を超えてやってくる時に降る雨のこと。秋の終わりから冬の始めに見られる現象です。 時雨は単に気象を表しているだけでなく、人生の無常観やはかなさといった情感を含みま... -
歳時記
落ち葉
秋の終わりから冬にかけて、落葉樹は全ての葉を落としてしまいます。「落ち葉」は冬の季語です。はらはらと散る落ち葉、散り落ちた葉が一面敷き詰められている様子、水面に浮かぶ枯葉など、古来から様々な「落ち葉」が和歌に詠まれてきました。 式子内親王... -
歳時記
時間の向こうの空間
十月末から生垣の山茶花がひらきはじめた。うすい桃色と白の二種類で、いやみがない。数日咲いてから声もなく散って行く。散ったあとを眺めて、あわれだと思う。人間に情念があるように花にもそれがあるのか、(中略)動物と植物のちがいがあるにせよ、生... -
歳時記
木の葉の季節は?
小村雪岱/見立寒山拾得 「木の葉」は文字通り木の葉っぱのこと。歳時記では、散り落ちた枯葉という意味で、冬の季語となっています。「木の葉」という言葉は古く、古事記でもこの言葉が見られます。 狭井川よ雲たち渡り畝傍山木の葉さやぎぬ風吹かむとす伊... -
歳時記
新嘗祭
歌川広重/大津 走井茶店 11月23日は勤労感謝の日ですが、「新嘗祭(にいなめさい)」の日でもあります。新嘗祭とは、新米を供えて五穀豊穣を祝い感謝する日です。昭和23年までは国民の祭日でしたが、今でも宮中や神社で必ず行われている大事な行事です。 新... -
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〈小雪〉
上村松園/牡丹雪 二十四節気の一つ、小雪(しょうせつ)は立冬の十五日後、2021年は11月22日に当たります。「雪」と付いていますが、実際に降る気配があるのは北日本や日本海側、山深い地域に限られます。まだまだ本格的な寒さはきておらず、降る雪も小さ...