歳時記– category –
-
歳時記
春酒満酔
3月17日は俳人・青木月斗の忌日で月斗忌と呼ばれています。月斗は家業の薬屋を継いで経営していましたが、趣味の俳句が正岡子規に認められ、大阪俳壇の巨匠として活躍しました。奇をてらわないおおらかな歌風が魅力です。 春酒満酔尚も許さず鯛茶漬青木月... -
歳時記
初花
上村松園/櫻がり その年初めて咲く桜のことを初花または初桜といいます。関西では早咲きの桜が見頃を迎えています。古来より日本人に愛され続けている桜は春の象徴であり、花と言えば桜のことを指すほど桜は賞賛されてきました。桜の開花をまだかまだかと... -
歳時記
つくつくし
佐保姫の筆かとぞみるつくづくし雪かきわくる春のけしきは藤原為家 佐保姫とは春を司る女神のことで、春の季語にもなっています。改正月令博物筌(文化5年)には佐保姫について「春の造化の神なり。かたちあるにあらず、天地の色をおりなすをかりに名づけ... -
歳時記
戦争を最小限に抑えた人
川村清雄/徳川慶喜像 1868年旧暦3月14日、勝海舟と西郷隆盛の会談により、江戸城の無血開城が決定しました。 明治維新の際は、新しい政府を目指す開国派と、今までの徳川体制を望む幕府とで争いが起こりましたが、その被害を最小限に抑えた功労者が、徳川... -
歳時記
末の松山
契りきな かたみに袖を絞りつつ末の松山 浪こさじとは清原元輔訳)涙に濡れた着物の袖を絞りながら約束しましたよね。末の松山を波が超えることはありえないように、私たちの恋心も決して変わることがないと。 清原元輔は清少納言の父親で、この和歌は百人... -
歳時記
春の寝覚めのうつつで聞けば
田中保/ 猫 春眠不覚暁処処聞啼鳥夜来風雨声花落知多少春眠(しゅんみん)暁(あかつき)を覚えず処処啼鳥(しょしょていちょう)を聞く夜来風雨(やらいふうう)の声花落つること知る多少孟浩然/春暁より あたたかい春は四季の中でも一番寝心地がよく、朝... -
歳時記
春の心になる鳥
「ホーホケキョ」と甲高く鳴く声が聞こえると、いよいよ春が来たなという感じになります。鶯(うぐいす)の別名は「春告鳥(はるつげどり)」です。 古代から日本人に愛されてきた鶯は、その人気ぶりに比例するかのように別名が多く存在します。 経読鳥(きょう... -
歳時記
地名は過去と現代を繋ぐ
夢前町の雪彦山 1332年3月7日、この日は後に南朝初代天皇となる後醍醐天皇を隠岐へ流罪することが決定した日です。 兵庫県姫路市夢前町に山之内という名の地区があります。姫路駅から車で北へ約4、50分程走ったところにあり、今でも豊かな自然が残る山々に... -
歳時記
春霞
霞(かすみ)は空気中の細かい水滴や塵が原因で、遠くの景色がぼおっと霞んで見える現象を言います。目の前に濃く立ち込めるものは霧(きり)、薄く遠くに見えるものは霞。また、春は霞で秋は霧、夜は朧(おぼろ)など。日本語はその時々の「感じ」で、空... -
歳時記
啓蟄
二十四節気の一つ「啓蟄(けいちつ)」は、土の中に潜って冬ごもりしていた虫、ひいては蛇やトカゲ、蛙などが、暖かい気候につられて外に這い出てくる、という意味になります。2022年は3月5日が啓蟄に当たります。 土の中の生き物がうごめく啓蟄は、大地が動...