春の心になる鳥

「ホーホケキョ」と甲高く鳴く声が聞こえると、いよいよ春が来たなという感じになります。鶯(うぐいす)の別名は「春告鳥(はるつげどり)」です。

古代から日本人に愛されてきた鶯は、その人気ぶりに比例するかのように別名が多く存在します。

経読鳥(きょうよみどり)
禁鳥（とどめどり)
匂鳥(においどり)
金粉鳥（きなこどり)
花見鳥(はなみどり)
歌詠鳥（うたよみどり)
人来鳥(ひとくどり)
黄鳥(きちょう)

シーズン初の鳴き声は「鶯の初音」。ホーホケキョと鳴いた後に、ケキョケキョと続くのは「鶯の谷渡り」。木から木へ伝い鳴くのは「流鶯(りゅうおう)」。

鶯にまつわる言葉が多いのは、春を待ちわびてきた人々の、喜びに満ちた心と連動するからでしょうか。

鶯の 声を聞きつる あしたより
春の心に なりにけるかも

良寛