2021年7月– date –
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歳時記
走って送って
雨が多い日本では、雨に関する言葉もたくさんあります。五月雨、前梅雨、空梅雨、旱梅雨、ついり、青梅雨、戻り梅雨、などなど「梅雨」だけでも色々な言い回しが見られます。 「走り梅雨」は本格的な梅雨に入る前の雨のこと。「走り」は季節を先駆けてやっ... -
歳時記
古代のオンザロック
日本酒は温度によって味が変わります。その変化を楽しむのも日本酒の醍醐味。熱燗、ぬる燗、涼冷え、雪冷え、など温度帯によって名前がつけられています。 今はお酒の楽しみ方が多岐にわたり、華やかな吟醸系が流行っていることもあってか、当たり前のよう... -
歳時記
泥中の蓮
暑さが日毎に増してくる7月頃に、蓮は花を咲かせます。蓮はきれいな水よりも、濁った泥の方が花がきれいに咲くといわれています。 仏典の維摩経(ゆいまぎょう)には、有名な「泥中の蓮」の話があります。菩薩の弟子が「悟りを開くにはどうしたらいいです... -
酒好き達の酒器づくり
東京(前編)
酒米の苗が勢いよく背を伸ばし始める七月。今西の紹介で、東京の寿司店が播磨日本酒プロジェクトのお酒を取り扱ってくれることになった。遠い都会の店が興味を持ってくれたことに飯塚と壺坂は喜び、せっかくだから東京まで酒を持って行こうということにな... -
歳時記
ゆかた/その2
江戸時代後期、贅沢を禁止した天保の改革で、庶民は絹を着ることができなくなりました。染色も柄も地味なものに限定されましたが、それでもおしゃれを楽しみたい町民はアイデアと発想で乗り越えます。 そんな時に木綿の浴衣が大ブームに。柄も染めも小粋な... -
歳時記
万葉のささ
笹(ささ)の葉は み山もさやにさやげども我は妹思ふ 別れ来ぬれば柿本人麻呂(万葉集) 笹(ささ)、さや、さやげ、と「さ」が何度も続きます。声に出して詠むと、笹の葉ずれの音が森閑とした山中にそっと響くのが聞こえるようです。笹の葉は古代から神... -
レシピ
ごまの葉のご飯どろぼう
初夏から夏にかけて旬をむかえるごまの葉を使った、野菜農家・神﨑さんのオリジナルレシピです。これだけでご飯が何杯でも進んでしまうため「ご飯どろぼう」の名がつけられました。ごま油とにんにくの風味にピリ辛味が食欲をそそります。 【材料】 ごまの... -
歳時記
ゆかた/その1
夏の着物として定着している浴衣(ゆかた)。花火大会や夏祭り、ちょっとしたお出かけなどで着られる方も多いのではないでしょうか。 そんな浴衣の文字を見てみると、「ゆかた」と読めるような漢字ではありませんが、なぜゆかたと読ませるようになったので... -
歳時記
宵闇に咲く白い花
たましひのよろこびのごと宵闇の庭にくちなしの花暮れのこる上田三四二 純白の花色と甘い香りが印象的な梔子(くちなし)は、夏に花を咲かせます。強く甘い芳香は花の白さと相まって、女性的で清らかなイメージを彷彿とさせます。 上田三四二は大正生まれ... -
酒好き達の酒器づくり
酒米の田植え
https://youtu.be/5p4uuc9Ostg 登場人物紹介 梅雨が田畑を潤し、米農家が本格的に忙しくなる田植えの季節がやってきた。6月21日、この日は田植えにはうってつけの快晴であった。今西と石丸に酒米の田植えの様子を見学してほしいと考えた飯塚は、予め二人に...