ゆかた/その2

江戸時代後期、贅沢を禁止した天保の改革で、庶民は絹を着ることができなくなりました。染色も柄も地味なものに限定されましたが、それでもおしゃれを楽しみたい町民はアイデアと発想で乗り越えます。

そんな時に木綿の浴衣が大ブームに。柄も染めも小粋なデザインが次々と出されました。浴衣はどんどん進化を遂げ、ついには手ぬぐいをつなぎ合わせて浴衣を作りだすツワモノも。またそれがファッションに敏感な江戸っ子の琴線に触れ、手ぬぐい浴衣が流行りました。手ぬぐい12本で浴衣が一着できることから「十二単衣」と呼ばれていたようです。

なんだか現代のストリートファッションやコスプレに通じるものがあるような気もしてきます。江戸の最先端ファッションが現在の「おしゃれな浴衣」の礎となったのです。

あくまでお風呂用、室内用の着物だった浴衣ですが、江戸時代を境におしゃれな外出着へと変化していきました。その影には江戸の遊び心と反骨精神、心意気があったのです。

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