2022年– date –
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歳時記
春の心になる鳥
「ホーホケキョ」と甲高く鳴く声が聞こえると、いよいよ春が来たなという感じになります。鶯(うぐいす)の別名は「春告鳥(はるつげどり)」です。 古代から日本人に愛されてきた鶯は、その人気ぶりに比例するかのように別名が多く存在します。 経読鳥(きょう... -
歳時記
地名は過去と現代を繋ぐ
夢前町の雪彦山 1332年3月7日、この日は後に南朝初代天皇となる後醍醐天皇を隠岐へ流罪することが決定した日です。 兵庫県姫路市夢前町に山之内という名の地区があります。姫路駅から車で北へ約4、50分程走ったところにあり、今でも豊かな自然が残る山々に... -
歳時記
春霞
霞(かすみ)は空気中の細かい水滴や塵が原因で、遠くの景色がぼおっと霞んで見える現象を言います。目の前に濃く立ち込めるものは霧(きり)、薄く遠くに見えるものは霞。また、春は霞で秋は霧、夜は朧(おぼろ)など。日本語はその時々の「感じ」で、空... -
歳時記
啓蟄
二十四節気の一つ「啓蟄(けいちつ)」は、土の中に潜って冬ごもりしていた虫、ひいては蛇やトカゲ、蛙などが、暖かい気候につられて外に這い出てくる、という意味になります。2022年は3月5日が啓蟄に当たります。 土の中の生き物がうごめく啓蟄は、大地が動... -
酒好き達の酒器づくり
夢前に集う(2)
一同が壺坂酒造の座敷でお酒を愉しんでいる同じ頃、座敷の隣にある台所では二人の料理人が腕をふるっていた。紀風の城田とふしきのの荒巻である。彼らは東京でミシュランガイドの星を獲得している名店の料理長である。そんな彼らが白鷺サーモンをお造りに... -
歳時記
ひいなあそび
上村松園/御ひな之図 雛まつりの起源は、身代わり信仰だった「ひとがた」からきています。人の形をしたものを体に撫でて穢れを移し、それを川や海に流して「祓い」としていました。 この祓いの儀式として使われた人形が、かわいらしく美しい造形美へと進化... -
歳時記
水温む
3月に入り、まだ風の冷たい日はあるものの次第に寒さがゆるんできました。 山の雪も少しずつ溶け出し、川や池などの水が、凍てつくような冷たさから何となく温かく感じられるようになってきたことを「水温(ぬる)む」といいます。 水草が生え出して、魚や... -
歳時記
悲しみ華やぐ
3月1日は大正・昭和初期の小説家・岡本かの子の誕生日です。 画家・岡本太郎の母でもあるかの子は、一般人とはかけ離れた生活をしていました。当時は奇抜だったボブヘア(断髪)に濃いメイクのモダンガール。料理や裁縫、お茶、生け花など、当時は出来て... -
歳時記
利休遺偈(りきゅうゆいげ)
戦国から安土桃山時代を生きた茶人・千利休は、秀吉の怒りを買い1591(天正19)年2月28日に切腹しました。この日は利休忌と呼ばれています。 千利休は一切の無駄を省いた「わび茶」を完成させた人です。茶道といえば精神修養でありながら、ある種風雅なたし... -
歳時記
春めく
沼田荷舟 2月の寒い中でも、春の兆しを感じられる瞬間が少しずつですが日に日に増えてきます。「めく」は「〜らしくなる」という意味を付ける接尾語で、「春めく」はいよいよ春らしくなってくる、という意味になります。 夏めく、秋めく、冬めく、と四季...