利休遺偈(りきゅうゆいげ)

戦国から安土桃山時代を生きた茶人・千利休は、秀吉の怒りを買い1591(天正19)年2月28日に切腹しました。この日は利休忌と呼ばれています。

千利休は一切の無駄を省いた「わび茶」を完成させた人です。茶道といえば精神修養でありながら、ある種風雅なたしなみとも捉えられ、血なまぐさいこととは対極にあるようなイメージがあります。

けれども、戦国の時代に名だたる武将達と茶を共にした千利休は、茶人とは思えないほどの猛々しい歌を辞世の句として残しています。

提(ひつさ)ぐる
我が得具足の一つ太刀 
今この時ぞ天に抛(なげう)つ

千利休

訳)使い慣れた一太刀を、今この時、天に向かって放り投げよう。

全てを投げ捨てる覚悟と気迫を感じさせるこの歌は、千利休が求めた茶の道そのものなのでしょうか。

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