連載– category –
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歳時記
野分から台風へ
秋の暴風のことを昔は「野分(のわき)」と呼んでいました。野を吹き分ける程の激しい風という意味です。昔は「台風」という自然現象が分からなかったため、秋に突然吹き荒れる暴風(台風)のことを野分と呼んでいたのです。 約1000年前に活躍した女流作家... -
歳時記
菊に狂う
菊の花は様々な大きさ、色、形があり、その種類は数千といわれています。それだけの品種があるのは菊に夢中になった江戸時代の人々のおかげでもあります。 気品があり華やかな菊は江戸時代の人々の心を鷲掴みにし、栽培が簡単なことも合間って菊作りが一大... -
歳時記
記録の落とし穴
ブログが日本で流行りだしたのは今から20年程前の2000年代前半のこと。同時期にFacebookも生まれ、2005年の流行語大賞に「ブログ」が選ばれました。この頃からsns(ソーシャルネットワーク:ネットを介した人間関係のあり方)の時代が始まり、現在では生活... -
歳時記
菊のアンチエイジング
正月七日、三月三日、五月五日、七月七日、九月九日と奇数が重なる日を五節句といいます。今日九月九日は重陽、菊の節句の日です。ひな祭りや七夕など他の節句と比べて重陽はあまり日常には浸透していないように思いますが、日本では平安の頃から宮廷で重... -
歳時記
〈白露〉
秋は初秋、中秋、晩秋に分けられます。二十四節気の一つ「白露」は中秋の前半に当たります。白露は草花に朝露がつくようになる頃という意味で、2021年は9月7日、今日からです。残っていた夏の気配も影をひそめ、いよいよ秋が深まってきます。 夏はつる 扇... -
歳時記
黒の作り方
9月6日は9(く)6(ろ)ということで、今日は日本の伝統染色である黒染めの日に制定されています。ところで、黒という色はどうやってできているのでしょうか。ポスターや雑誌などの印刷には、シアン(青)マゼンダ(赤)イエロー(黄)の3色を使って全ての... -
歳時記
露草
可憐な青い花を咲かせる露草は、夏から見られますが季語としては秋の花です。青い花は染料として使われ、この花で染めた色は露草色、縹色と呼ばれています。 誰にまたうつし心のひとさかり見えてかなしき月草の色三条西実隆 うつろいやすい思い人の心を、... -
歳時記
ひよってるやついる?
2021年上半期のインスタ流行語大賞に「ひよってるやついる?」が上位にランクインしました。 元ネタは卍會という不良グループが活躍する漫画のセリフで、困難な道を避けて安易な方に流される「日和見的な態度」をしていないか?という意味です。10代を中心... -
酒好き達の酒器づくり
東京から来た料理人(5)
【人と人が出会う土地・播磨】 風土記とは八世紀初頭に地方の状況を把握するために全国各地で編纂され、中央に提出された公文書である。元々は数十ヶ国分あったと考えられるが、現存するのは出雲(いずも)、常陸(ひたち)、肥前(ひぜん)、豊後(ぶんご... -
歳時記
お山を洗う
富士山麓地方では閉山の頃に降る雨を「御山洗い」と言います。夏の登山シーズンの間、多くの登山者で穢れた山を雨が浄化するというのです。 そもそも富士山は霊峰であるため、穢れをきらいます。そのため修験者は「六根清浄」と唱え続け心身を清めながら登...