菊に狂う

菊の花は様々な大きさ、色、形があり、その種類は数千といわれています。それだけの品種があるのは菊に夢中になった江戸時代の人々のおかげでもあります。

気品があり華やかな菊は江戸時代の人々の心を鷲掴みにし、栽培が簡単なことも合間って菊作りが一大ブームとなります。それにより、多くの菊が生まれました。

美しい色形の菊はもちろんのこと、一風変わった菊も出てきます。接木を重ねて一株から100種の花を咲かせる菊、建物の二階にまで成長する背が高すぎる菊、菊の花の中からまた花が生えているものなど、美しさを通り越して度肝を抜くようなものも登場しています。菊を通した創作熱はすごいものだったようです。

江戸時代に作られた菊は19世紀に海外へ渡り、渡航先でも絶賛されます。その影響でヨーロッパでも菊栽培に火がつき、現在の膨大な品種が生まれました。

今でも菊の栽培は根強い人気があり、毎年秋になるとあちこちで菊の品評会が行われます。
菊は仏花であり皇室のシンボルでもある、ある種神聖な花ですが、狂ったように人を熱く夢中にさせる一面もあります。魅力的な花です。

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