歳時記– category –
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歳時記
梅に助けられてきたこと
平安時代、第62代村上天皇在位時に都で疫病が流行りました。その時、天皇は梅と昆布を入れたお茶で民を救い、自身の病も治したという言い伝えがあります。 平安時代に記された日本最古の医学書『医心方』には「梅は三毒を断つ」と書かれています。三毒とは... -
歳時記
江戸が生んだ花菖蒲
花菖蒲は、野山に自生するノハナショウブを品種改良したものです。元は単純な花形でしたが、改良が進むにつれて、現代に見られるような華やかな品種が多く生まれました。 花菖蒲の品種が飛躍的に増えるのは江戸時代後期。その中心人物となったのは、松平定... -
歳時記
漁師の謎ワード
淡路島の漁師さんと話をしていた時のこと。明日は漁に行くのか尋ねると、次のような返事がかえってきた。 「どうやろなぁ。まぜ吹きよっからなぁ。」 (……まぜ??) 生活から生まれた独自の言葉があります。「まぜ」とは南風のことで、淡路島(五色浜)の... -
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繭
美しい光沢と滑らかな質感の絹(シルク)は、古来より高級衣料素材として重宝されてきました。絹は蚕(カイコガの幼虫)が作る繭から取り出す生糸を織って作られます。現代では化学繊維の普及により、絹の需要は減少していますが、上品な絹の肌触りは今も... -
歳時記
花菖蒲(はなしょうぶ)の命
真っ直ぐに伸びた葉と茎、その先に優雅な花を咲かせる花菖蒲。開花時期は梅雨の頃で、花の色は白、桃、紫、青、黄など多数あり形も様々。凛とした立ち姿が美しく、五月後半から六月頃になると、各地にある名所は花菖蒲を鑑賞する人で賑わいをみせます。 天... -
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麦と星
麦は冬に種を蒔き、五月下旬から六月頃に収穫期を迎えます。麦畑一面が黄金色に輝く初夏の頃を「麦の秋」とも呼びます。 この頃はちょうど雨が多い時期ですが、梅雨の晴れ間の夜空を見上げると、特徴のある星が瞬いています。北斗七星の柄の部分の延長上に... -
歳時記
鹿の角が短い季節
鹿の角は雄にだけ生えており、一年で生え変わります。春に古い角が落ち、夏にかけて新しい角が生え、秋には完成します。秋は鹿の発情期。出来上がった立派な角で雌にアピールしたり、ライバルの雄と戦ったりするのです。年齢や体の大きさによって角の大き... -
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花橘
五月待つ 花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞするよみ人知らず(古今和歌集) 五月を待って咲いた橘の花の香りは、あの人の袖と同じ香りがして昔のことを思い出します 橘(タチバナ)は柑橘類の一種で5月から6月頃に花を咲かせます。果実よりも花や葉に注... -
歳時記
五色浜の泥落とし
田植えが終わると「泥落とし」をします。泥落としとは、重労働である田植えが無事終わったことを祝う宴のこと。全国各地で様々な「泥落とし」が行われていましたが、淡路島の西海岸、五色町の泥落としでは獲れたての鰆(さわら)が振る舞われました。 五色... -
歳時記
田植え=祭り!?
昔の田植えは、村の共同作業であり一大行事であり、神事でもありました。稲には稲魂(田の神様)が宿ると考えられていた古代日本では、そもそも稲作の行為自体が神事だったのです。現在でも「お米一粒に7人(または88人)の神様がいる」などと言われますが...