2022年– date –
-
歳時記
春酒満酔
3月17日は俳人・青木月斗の忌日で月斗忌と呼ばれています。月斗は家業の薬屋を継いで経営していましたが、趣味の俳句が正岡子規に認められ、大阪俳壇の巨匠として活躍しました。奇をてらわないおおらかな歌風が魅力です。 春酒満酔尚も許さず鯛茶漬青木月... -
歳時記
初花
上村松園/櫻がり その年初めて咲く桜のことを初花または初桜といいます。関西では早咲きの桜が見頃を迎えています。古来より日本人に愛され続けている桜は春の象徴であり、花と言えば桜のことを指すほど桜は賞賛されてきました。桜の開花をまだかまだかと... -
歳時記
つくつくし
佐保姫の筆かとぞみるつくづくし雪かきわくる春のけしきは藤原為家 佐保姫とは春を司る女神のことで、春の季語にもなっています。改正月令博物筌(文化5年)には佐保姫について「春の造化の神なり。かたちあるにあらず、天地の色をおりなすをかりに名づけ... -
歳時記
戦争を最小限に抑えた人
川村清雄/徳川慶喜像 1868年旧暦3月14日、勝海舟と西郷隆盛の会談により、江戸城の無血開城が決定しました。 明治維新の際は、新しい政府を目指す開国派と、今までの徳川体制を望む幕府とで争いが起こりましたが、その被害を最小限に抑えた功労者が、徳川... -
五色浜の四季
大橋のり〈海苔の加工〉
冬、淡路島の五色浜で漁をする大橋水産では、海苔の生産に忙しい日々を送っている。 10月から始まった海苔の養殖は、12月末頃に1回目の収穫が行われる。船いっぱいに収穫した海苔は、港からホースを通って工場の攪拌器に集められていた。 海苔の攪拌器 収... -
五色浜の四季
大橋のり〈海苔の養殖〉
秋、淡路島の五色浜にある鳥飼漁港では、海苔の養殖の準備が始められていた。 海苔は店に行けば一年中売られている。味付け海苔や巻き寿司用の大判海苔などいつでも手に入るため、海苔の旬を知らない人も多い。海苔の旬は冬。冷たい海の波にもまれて育つの... -
五色浜の四季
大橋のり
日が沈み始める頃になると、五色の海は桃色がかった赤に染まり、浜の五色の玉石は夕日を受けて静かに輝きます。五色浜は淡路島の西海岸にあり、美しい夕暮れの景色を鑑賞できる場所でもあります。穏やかな五色の海で育つ海苔は上品で繊細。中でも最初にと... -
歳時記
末の松山
契りきな かたみに袖を絞りつつ末の松山 浪こさじとは清原元輔訳)涙に濡れた着物の袖を絞りながら約束しましたよね。末の松山を波が超えることはありえないように、私たちの恋心も決して変わることがないと。 清原元輔は清少納言の父親で、この和歌は百人... -
酒好き達の酒器づくり
夢前に集う(3)
壺坂酒造で宴を楽しんだ後、彼らは夢前町の塩田温泉湯元である上山旅館へと向かった。 塩田温泉の歴史は古く、発見されたのは奈良時代と言われている。江戸時代の文献には『丹波、但州、 摂津、備前、四国地方より多数の湯治客ありて諸病の全治せしこと(中... -
歳時記
春の寝覚めのうつつで聞けば
田中保/ 猫 春眠不覚暁処処聞啼鳥夜来風雨声花落知多少春眠(しゅんみん)暁(あかつき)を覚えず処処啼鳥(しょしょていちょう)を聞く夜来風雨(やらいふうう)の声花落つること知る多少孟浩然/春暁より あたたかい春は四季の中でも一番寝心地がよく、朝...