連載– category –
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歳時記
襲色目/杜若
初夏に花を咲かせる杜若(かきつばた)。花菖蒲とよく似ていますが、花菖蒲は陸地に咲き、杜若は池などの湿地で花を咲かせます。 平安時代に生まれた、衣服の表地と裏地の配色方法を「襲色目(かさねいろめ)」といいます。襲色目には四季折々の色彩が表現... -
歳時記
村上天皇と梅
平安時代に在位した村上天皇。流行り病を梅と昆布を入れたお茶で退散させた天皇には、もう一つ梅にまつわる有名な故事があります。 内裏の清涼殿には立派な梅の木がありましたが、枯れてしまいました。それを惜しんだ村上天皇は代わりとなる梅の木を探すこ... -
歳時記
色変わりには理由がある
6月は紫陽花の季節。薄曇りの雨の景色に鮮やかな色を添えてくれます。 あじさいの語源は、あず(集まる)にさい(藍色)だと言われています。また、日が経つにつれて色が変化することから「七変化」「八仙花」とも呼ばれます。 紫陽花の色が変わるのは、花... -
飲・食・人
接客技術とおもてなしの関係性
春子のちまき寿司 前回はある飲食店のコンセプトと、お客様の求めるものが一致していると高い満足感が得られるよね、という話をした。 どんな話だったか簡単に振り返ると、お店の側はお客様に喜んでいただくためあの手この手の仕掛けを用意している。それ... -
歳時記
梅に助けられてきたこと
平安時代、第62代村上天皇在位時に都で疫病が流行りました。その時、天皇は梅と昆布を入れたお茶で民を救い、自身の病も治したという言い伝えがあります。 平安時代に記された日本最古の医学書『医心方』には「梅は三毒を断つ」と書かれています。三毒とは... -
オリオンとネギ
七郎兵衛ショウガ / その1
「どのようなことも7世代先のことを考えて決めなければならない。」 これはアメリカ先住民族の言葉です。彼らが1世代を何年として考えていたのかは分かりませんが、仮に1世代30年で考えると、7世代先は210年先、それぐらい先の人たちのことを考えて物事を... -
酒好き達の酒器づくり
夢乃井(ゆめのい)
https://youtu.be/Ekom3c7SuLQ 「夢乃井」登場人物紹介 飯塚の田んぼから車で五分ほど走ると、夢前川沿いにある温泉旅館・夢乃井(ゆめのい)に辿り着く。夢乃井は小高い丘の上にあるため、館内からは夢前ののどかな景色を一望できる。日が暮れる前に到着... -
歳時記
江戸が生んだ花菖蒲
花菖蒲は、野山に自生するノハナショウブを品種改良したものです。元は単純な花形でしたが、改良が進むにつれて、現代に見られるような華やかな品種が多く生まれました。 花菖蒲の品種が飛躍的に増えるのは江戸時代後期。その中心人物となったのは、松平定... -
歳時記
漁師の謎ワード
淡路島の漁師さんと話をしていた時のこと。明日は漁に行くのか尋ねると、次のような返事がかえってきた。 「どうやろなぁ。まぜ吹きよっからなぁ。」 (……まぜ??) 生活から生まれた独自の言葉があります。「まぜ」とは南風のことで、淡路島(五色浜)の... -
歳時記
繭
美しい光沢と滑らかな質感の絹(シルク)は、古来より高級衣料素材として重宝されてきました。絹は蚕(カイコガの幼虫)が作る繭から取り出す生糸を織って作られます。現代では化学繊維の普及により、絹の需要は減少していますが、上品な絹の肌触りは今も...