襲色目/杜若
初夏に花を咲かせる杜若(かきつばた)。花菖蒲とよく似ていますが、花菖蒲は陸地に咲き、杜若は池などの湿地で花を咲かせます。
平安時代に生まれた、衣服の表地と裏地の配色方法を「襲色目(かさねいろめ)」といいます。襲色目には四季折々の色彩が表現され、十二単など公家装束に取り入れられました。
襲色目の一つ「杜若」は、杜若の美しい藍の花色(二藍)と若葉の色(萌黄)を合わせたもの。日に日に気温も湿度も上がる頃、その気候の変化に合わせるように目に映える、鮮やかな藍と緑が初夏を爽やかに彩ってくれます。