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歳時記
西行の桜
吉田博/雲井櫻 西行は平安時代後期の僧です。 文武両道、容姿にも優れ、若い頃は皇室直属のエリート警備部隊「北面の武士」に所属していました。華やかな環境で将来を約束されていたにも関わらず、突如22歳という若さで出家をします。 それからは特定の宗... -
歳時記
桜が気になってしょうがない人種
桜花小禽 /川合玉堂 世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし在原業平 世の中に桜というものがなければ、咲いたかな、散ったかな、と心を乱されることなく、のんびりとした心で春を過ごせたのに。という意味の和歌です。 ところが、この和歌は... -
酒好き達の酒器づくり
あとがき・その後
この物語がインスタグラムで発表された2019年時点では、酒器の試作品が作られたところで話は終わっていたが、2020年6月、今西の手によって酒器の第一弾が完成した。 物語では多くの有名無名の実在の人物が登場する。彼らが笑い、呑み、今を精一杯生きる、... -
歳時記
水底に沈みたまひし遠つ祖を
1185年3月24日、源氏が平家を破る壇ノ浦の戦いがありました。 源平合戦最後の時、追い詰められた平家一門は船上から次々と入水自殺をしました。平清盛の正室であった二位尼(にいのあま)は、当時6歳だった孫である安徳天皇を抱えて海へ飛び込もうとするそ... -
歳時記
雲雀
雲雀(ひばり)は河原や畑などに生息し、木には止まらず地上に巣を作ります。春になると小さな体で空高く舞い上がり、「ピーチュル、チルル」と複雑で美しいさえずりを聞かせてくれます。その美しい鳴き声が好まれ、古くは飼い鳥として親しまれていました... -
歳時記
雉
雉は日本特有の野鳥で、赤、緑、紺、茶褐色といった複雑な色の体躯と、長く美しい尾羽が特徴です。食用としても美味です。 春になると、雄はケーンケーンと高らかに鳴き、求愛活動を始めます。特徴的な春の雉の鳴き声に、古くから人々は色々な思いを感じて... -
歳時記
春分
春光/川合玉堂 二十四節気の一つ「春分」は、昼と夜の長さが同じになる日です。この頃から気温はさらに上昇し、一気に春らしい陽気になってきます。まさに春を分ける日です。暖かい行楽日和でもあるため、春分の日は仕事を休んで野遊びをする習慣も各地で... -
五色浜の四季
東風吹かば
漁師は風のことを良く知り、理解している。風の動きの読み解きが仕事を左右し、己の生死を分けるからだ。 淡路島の五色浜の漁師、大橋盛夫さん(72歳)と話をしていると、風のことが頻繁に出てくる。今はスマホのアプリで雨雲や風向きがすぐに分かるが、昔... -
五色浜の四季
大橋のり〈創業と継承〉
淡路島の西海岸・五色浜で漁を生業とする大橋水産は、先祖代々この地で漁をしてきた。今も昔も鰆(さわら)漁が盛んな地域であるが、時代が変われば漁も変わる。先の時代を見越して大橋水産で海苔の養殖を始めたのは、大橋盛夫さん(72歳)だった。 【ゼロ... -
酒好き達の酒器づくり
新酒お披露目会
桜の木が若葉を装い、軒下にはツバメが居場所を求めて飛び交うようになった4月13日、壺坂酒造の酒蔵で、播磨日本酒プロジェクトの新酒お披露目会が行われた。 お披露目会には坊勢島の漁師・小林と前田が鮮魚を手に島からやって来ていた。前田は壺坂酒造の...