連載– category –
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歳時記
木の葉の季節は?
小村雪岱/見立寒山拾得 「木の葉」は文字通り木の葉っぱのこと。歳時記では、散り落ちた枯葉という意味で、冬の季語となっています。「木の葉」という言葉は古く、古事記でもこの言葉が見られます。 狭井川よ雲たち渡り畝傍山木の葉さやぎぬ風吹かむとす伊... -
歳時記
新嘗祭
歌川広重/大津 走井茶店 11月23日は勤労感謝の日ですが、「新嘗祭(にいなめさい)」の日でもあります。新嘗祭とは、新米を供えて五穀豊穣を祝い感謝する日です。昭和23年までは国民の祭日でしたが、今でも宮中や神社で必ず行われている大事な行事です。 新... -
歳時記
〈小雪〉
上村松園/牡丹雪 二十四節気の一つ、小雪(しょうせつ)は立冬の十五日後、2021年は11月22日に当たります。「雪」と付いていますが、実際に降る気配があるのは北日本や日本海側、山深い地域に限られます。まだまだ本格的な寒さはきておらず、降る雪も小さ... -
歳時記
山茶花は散る
朝清め 今せし庭に山茶花(さざんか)のいささか散れる 人の心や伊藤左千夫訳)今しがた朝の庭掃除をしたばかりなのに、ふと見るともう山茶花の花が少しばかり散り落ちている。まるで移り変わる人の心のようだ。 山茶花がいつかは全て散ってしまうように、人... -
酒好き達の酒器づくり
【歴史コラム】伝説の百姓
江戸時代、圧政に堪え兼ねた百姓が反旗を翻す「百姓一揆」が全国各地で発生していた。兵庫県も例外ではなく124件あったようだが、そのうちの半数近い56件が播磨で起こってい た。普段は大らかでのんびりとしているが、いざとなれば血気盛ん、権力に簡単に... -
歳時記
芭蕉忌
月岡芳年_三日月の頃よ梨待し今宵哉 翁 陰暦10月12日に、松尾芭蕉は大阪の御堂筋で没しました。太陽暦にすると2021年は11月16日になります。芭蕉忌と呼ばれていますが、この頃が時雨の多い季節であること、芭蕉が時雨を好んで題材にしたことから、時雨忌... -
歳時記
天皇も隠れ場所に選んだ!隠れ里の人気物件
人目を避けた人達が、人里離れた山奥などに作って住んだ村を隠れ里と言います。よく知られるところでは平家の落人の集落などで、全国各地にひっそりと存在していました。 隠れ里という性質上、その候補地としては人目につきにくい立地が好まれますが、そん... -
歳時記
千鳥
千鳥はチドリ科の鳥の総称です。背は灰褐色でお腹は白く、砂浜など水辺でよく見られます。ちょこちょこ歩く姿がかわいらしく、群をなして「ちちちち、ピイピイ」と鳴く声が印象的です。 千鳥は春と秋に移動する旅鳥で、特に冬によく見られるというわけでは... -
酒好き達の酒器づくり
収穫
秋の夢前町は、稲穂が金色に輝き頭を重く垂らしている。10月3日、壺坂酒造には大勢の人が訪れていた。吉備国際大学の協力を仰ぎ、壺坂酒造の酒母(しゅぼ)造りが行われる酒蔵の2階で酵母菌採取が行われたのである。 蔵の柱や梁、土壁、百年前に酒造りに使用... -
歳時記
凩(こがらし)
11月前後に吹く冷たい風を「凩(こがらし)」といいます。木の葉を落として枯れ木にする風、という意味です。 木枯らしや 目刺しに残る 海の色芥川龍之介 木枯らしが創り出す灰褐色の風景に、一点、メザシの目に光る深く鮮やかな海の碧。素朴な情景であり...