2022年3月– date –
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歳時記
三島由紀夫の桜
三島由紀夫は言わずと知れた戦後を代表する小説家です。 戦後の日本は、アメリカ主導で様々なことが進められてきました。政治や文化や歴史など、日本の国体部分が削ぎ取られていくのを見かねた三島由紀夫は、1970年に自衛隊市ヶ谷駐屯地で抗議の末、割腹自... -
歳時記
岡本かの子の桜
岡本かの子は大正から昭和初期の小説家で、岡本太郎の母でもあります。時代を先取りしすぎた強烈すぎる個性で人生を駆け抜けたかの子。彼女が詠む桜は、桜とそれを見る者の、命の瞬間をとらえたものでした。 桜ばないのち一ぱいに咲くからに生命をかけてわ... -
歳時記
良寛の桜
神坂雪佳 良寛は江戸時代の僧侶で、歌人でもあり優れた書も残しています。幼少の頃から大変頭が良く、10歳の頃から漢学を学び、18歳で仏門に入ります。 生涯自分の寺を持たず、各地を旅したり粗末な草庵に移り住んだりしながら、庶民に仏教を教えてきまし... -
歳時記
本居宣長の桜
神坂雪佳/吉野 本居宣長は平安時代の国学者です。当時難解すぎて誰も読み解けなかった古事記の解読に何十年も取り組み、古事記を世に出した人です。 江戸時代は幕府の後押しもあって、漢学(中国の古典)が発達した時代でした。多くの優秀な漢学者が生まれ... -
歳時記
西行の桜
吉田博/雲井櫻 西行は平安時代後期の僧です。 文武両道、容姿にも優れ、若い頃は皇室直属のエリート警備部隊「北面の武士」に所属していました。華やかな環境で将来を約束されていたにも関わらず、突如22歳という若さで出家をします。 それからは特定の宗... -
歳時記
桜が気になってしょうがない人種
桜花小禽 /川合玉堂 世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし在原業平 世の中に桜というものがなければ、咲いたかな、散ったかな、と心を乱されることなく、のんびりとした心で春を過ごせたのに。という意味の和歌です。 ところが、この和歌は... -
酒好き達の酒器づくり
あとがき・その後
この物語がインスタグラムで発表された2019年時点では、酒器の試作品が作られたところで話は終わっていたが、2020年6月、今西の手によって酒器の第一弾が完成した。 物語では多くの有名無名の実在の人物が登場する。彼らが笑い、呑み、今を精一杯生きる、... -
歳時記
水底に沈みたまひし遠つ祖を
1185年3月24日、源氏が平家を破る壇ノ浦の戦いがありました。 源平合戦最後の時、追い詰められた平家一門は船上から次々と入水自殺をしました。平清盛の正室であった二位尼(にいのあま)は、当時6歳だった孫である安徳天皇を抱えて海へ飛び込もうとするそ... -
歳時記
雲雀
雲雀(ひばり)は河原や畑などに生息し、木には止まらず地上に巣を作ります。春になると小さな体で空高く舞い上がり、「ピーチュル、チルル」と複雑で美しいさえずりを聞かせてくれます。その美しい鳴き声が好まれ、古くは飼い鳥として親しまれていました... -
歳時記
雉
雉は日本特有の野鳥で、赤、緑、紺、茶褐色といった複雑な色の体躯と、長く美しい尾羽が特徴です。食用としても美味です。 春になると、雄はケーンケーンと高らかに鳴き、求愛活動を始めます。特徴的な春の雉の鳴き声に、古くから人々は色々な思いを感じて...