三島由紀夫の桜

三島由紀夫は言わずと知れた戦後を代表する小説家です。

戦後の日本は、アメリカ主導で様々なことが進められてきました。政治や文化や歴史など、日本の国体部分が削ぎ取られていくのを見かねた三島由紀夫は、1970年に自衛隊市ヶ谷駐屯地で抗議の末、割腹自殺をします。

三島由紀夫の思想や起こした事件については是非があるものの、最後に残した辞世には胸を突かれるものがあります。

散るをいとふ 世にも人にもさきがけて

散るこそ花と 吹く小夜嵐(さよあらし)

散ること(死、失うこと)を恐れ、保身を選ぶ人が何と多いことか。元々何も持たずに生まれてきたのに、失うことを恐れて何をそんなに握りしめているのか。

咲くも散るも引っくるめて、それこそが「花」なのだと教えてくれるような歌です。

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