【4/24】田んぼの隅は手で耕す?
ある日、原田はふと思った。トラクターで田んぼを耕してはいるが、トラクターが耕せない田んぼの端の草はどうするのだろうか? 原田は飯塚に尋ねてみることにした。
田んぼの端っこはもっとトラクターを近づけて鋤(す)かなあかん!
鋤き残りがあったら、スコップで掘り返す(重労働!!!)
素人がトラクターでキワキワを攻めて壊しでもしたら目もあてられない。そこで、急遽田んぼの端を手で耕すことになった。まずは、村の土地の一部を絶賛開拓中の中下さんに声をかける原田。実は中下さんは米作りだけでは飽き足らず、村の中で誰にも使われずに草だらけになっているデッドスペースを畑として有効活用するために、頻繁に村を訪れては荒れた土地を開拓していたのだ。開拓慣れしている中下さんなら、手耕しも大丈夫だろう。
手耕し当日、やはりというかさすがというか、中下さんは素晴らしい勢いで田んぼの端を耕していく。根が深く張った荒れ地の開拓で鍛えられた腕にかかると、田んぼの柔らかい草など何でもないようだ。
草を取り除くとカエルたちが眠たそぉにこちらを向く。緑や茶色のカエルを次々に起こしながら作業は進む。
アスリート女子達は黙々と田んぼの端をショベルで耕し、1日がかりで田んぼ1枚分を終わらせた。
米作り作業の後はお土産作り。ブルーベリーの苗を植え、小松菜とはつか大根の成長を観察する。山は桜に続いて藤がきれいな花を咲かせ、村を歩けばコデマリや八重の山吹が見事に咲いていた。
「月に1回の墓参りじゃあ桜も藤も絶対に見逃す」と中下さんは言う。ここから更に北の町に彼女のお父さんのお墓があるそうだ。
体を動かし汗をかき、季節とともに移りゆく景色を眺めて心癒される。『米作り』という、ここに来る理由があるから見ることのできる景色があるのだ。