あとがき・その後
この物語がインスタグラムで発表された2019年時点では、酒器の試作品が作られたところで話は終わっていたが、2020年6月、今西の手によって酒器の第一弾が完成した。
物語では多くの有名無名の実在の人物が登場する。彼らが笑い、呑み、今を精一杯生きる、ただそれだけの話である。
日常に潜む安定と安心に人の思考は澱みもするが、自立と葛藤の中に思いやりを知り、思いやられる嬉しさを知る。響き合う中で時は交わり、生きる力となる。今西は2020年7月、姫路山陽百貨店の画廊で酒器の発表をするが、夢前の人と土地と歴史と、自身との呼応から生まれた酒器を発表するに際して、個展のテーマを「呼應(こおう)」とした。
モノにはそれを生み出した人の想いや歴史が宿っているのだ。
酒好き達の酒器づくり
最新話 目次 酒好き達と播磨の神々が織りなす完全ノンフィクションストーリー 2018年4月、兵庫県夢前町に農家、杜氏、陶芸家、写真家が集結した。彼らの目的は唯一つ、…