赤のまんま

秋になると野原や田畑の脇に、紅紫色をした粒状の小さな花が咲き出します。犬蓼(イヌタデ)の花です。
植物の名称に「犬」がつくものは「あまり役にたたない」という意味があるそうですが、この花は昔の子供にとっては大変役に立つ花でした。赤い花を米粒に見立てて遊ぶのです。子供のままごとから「赤の飯(まんま)」「赤のまま」という名がつけられました。
鄙びた素朴な花はどこか懐かしく、秋の郷愁を感じさせます。

このへんの 道はよく知り 赤のまま

高浜虚子

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