〈寒露〉
この月冷感次第につのり、露むすんで霜とならんとするゆゑ、寒露と名づく。
(改正月令博物筌より)
二十四節季の一つ、露(つゆ)が霜(しも)になるほど冷気を感じ出す頃を寒露(かんろ)といいます。2021年は10月8日に当たります。
秋半ばから末にかけて、冬ほどではないけれど体感的に「寒さ」を感じることを、「やや寒」「そぞろ寒」「肌寒」「うそ寒」「秋寒」「露寒」などと言います。秋後半という期間限定の寒さに対して、こんなにも言葉が用意されているのが日本語の面白いところです。
やや寒き をのの浅茅の秋風に
いつより鹿の鳴きはじめけむ
前大納言資季/続古今集