「若楓」に込めた思い

楓というと真っ先に思い浮かぶのは鮮やかな紅葉かもしれませんが、初夏の頃の若葉の美しさも格別です。本格的な夏になる頃にはしっかりとした緑となりますが、その前の初々しい初夏の淡緑の爽やかさには心惹かれるものがあります。

萌え出たばかりの新芽を総称して「若葉」といいますが、楓だけは「若楓」と楓専用の言葉を日本人は生み出しています。初夏の楓に対して特別な思い入れが昔からあったのでしょう。

卯月ばかりの若楓、すべてよろづの花紅葉にもまさりて、めでたきものなり

(徒然草より)

重なり合う若楓に、初夏のまばゆいばかりの日の光が透かして見える。伸びよう伸びようとする生命の力強さにみずみずしい勢いを感じ、自然と心も上向きになります。

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