TAKIBI

歌川広重/濱松 冬枯ノ図

YouTubeでは焚き火動画の再生回数が伸び、都会では焚き火ができる場所が人気となり、焚き火グッズの売れ行きも好調。数十年前まではどこでも誰でも普通にできた焚き火が、今や貴重なアウトドアイベント「TAKIBI」となっています。

燃やすという原始的な行為、火と向き合うことで得られる本能的な癒しと恐れ、火を囲んでコミュニケーションをする楽しさなど。リモートワークやVR、AIが充実していても、どうしても得られないものが「TAKIBI」にはあり、だからこそ多くの人がハマるのかもしれません。さらに昔のように自由に火を焚くことが禁止されているため「非日常感」もプラスされ、焚き火人気は上昇しています。

もともと焚き火は、暖をとるためや落葉樹の始末、行事ごとなど、日本人にとっては生活の一部であったものです。
火の側で仕事をする、他愛もない話をする、物思いにふける、何かしら焼いて食べてみる、など、焚き火と共に紡いできた生活があり、それが懐かしさ、人の温かさにも繋がっています。

幾年ぶりのことならむ子供等と落葉やくに
先づ吾がうれしけれ

土屋文明

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