蓮の浮葉

蓮の葉は初夏になると、若葉を出します。水上に顔を出したばかりの丸い若葉は、まだ茎が短く水面に張り付くように浮かんでいます。その様子から、蓮の若葉のことを浮葉と呼ぶようになりました。

遊東田の詩に「魚戯れて新荷(蓮の浮葉)動き」という一文がありますが、初々しい若葉と魚がいたずらをするような動きから、初夏の爽やかさが伝わってきます。

遠樹曖仟仟 生煙紛漠漠
魚戯新荷動 鳥散余花落
不對芳春酒 還望青山郭


遠樹(えんじゅ)曖(あい)として 仟仟(せんせん)たり
生煙(せいえん)紛(ふん)として 漠漠(ばくばく)たり
魚(うお)戲れて 新荷(しんか)動き
鳥 散じて 餘花(よか) 落つ
對(むか)はず芳春(ほうしゅん)の酒
還(かへ)って望む 青山(せいざん)の郭(かく)


遊東田(東田に遊ぶ/一部)

(訳)
(日々がつまらないので友人と野山に遊びにいった時のこと)
遠くの木々はおぼろに霞み、靄(もや)は果てしなく続いている。
魚が戯れて泳ぐと蓮の浮葉が揺れ、鳥が飛び立つと春の名残の花は散り落ちる。
春の酒には目もくれず、この美しい青々とした山中の郭を眺めている。 
 

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