治水工事の祖・信玄
立春から数えて210日目のことを「二百十日」といいます。この時分は台風や強風で荒れる事が多いといわれ、治水整備がされていない昔はことさら警戒されてきました。今日は二百十日、季節の変わり目でもあります。
治水工事の祖と言われるのが戦国大名の武田信玄です。信玄が治めていた山梨県甲斐の国は、毎年のように水害に悩まされていました。そこで、国力を増強するためにも信玄は治水工事を決行します。
20年弱をかけて完成した「信玄堤(堤防)」は、水の流れや自然の理をうまく利用した様々な流水コントロールシステムが組み込まれ、なんと400年以上たった現在でも現役で活躍しています。
信玄堤の上流にある神社では毎年「おみゆきさん」という祭りが行われています。堤防の上を神輿を担いで大人数で練り歩くことで、堤が踏み固められ強度が増すのだそうです。自然を敬い祖先を祀り、堤防のメンテナンスもできるというすごいシステムが「おみゆきさん」なのです。
信玄が築いた治水工事と、その時代から現代まで受け継がれている祭り。人と自然が共存するための知恵がここにあります。