麦藁章魚
タコは春から秋にかけて獲れますが、一番おいしいのは夏。最も美味しいといわれているこの時期のタコは「麦藁章魚(むぎわらだこ)」と呼ばれてきました。麦の収穫時期に近いため、このような名前がついたようです。
関西では「麦藁章魚に祭鱧」という言葉があります。麦の頃のタコと祭りのシーズンの鱧(はも)が美味しい、という意味です。海から遠く離れた京都に鮮度の良い状態で持っていける魚といえば、昔はタコと鱧ぐらいだったので、その美味しさが好まれたのでしょう。今でも京都の祇園祭に出されるタコや鱧の多くは瀬戸内海から運ばれてきます。