マルクスは今も生きているか

昭和11年(1936年)2月26日、若い陸軍将校達が軍隊を動かして政財界人を殺害し、クーデターを起こしました。二・二六事件です。

当時は世界大恐慌時代。日本全体が不景気で庶民は貧しい暮らしを強いられる中、一部特権階級は裕福であったことに、疑問と不満が蔓延していました。

そんな日本でマルクス主義が流行。みんなが利益を平等に分配できる社会主義は最先端の社会システムであると、多くの人が思うようになります。

このマルクス主義が20〜30歳代の青年将校達の中にも入りこみ、悲劇を生むことになります。

陸軍将校達は軍隊を使って政治を力づくで変えようとしました。結果、彼らは降伏しますが、多くの犠牲者を出して、事件そのものが軍国主義のきっかけにもなってしまいます。

後のソ連や東ドイツの崩壊で、私たちは社会主義の矛盾や限界を知ることになります。

現代の日本では、マルクス主義は思想や主義の一つであり、一般的にはあまり関係がないと捉えられていますが、それと似たようなものは無意識レベルで私たちの生活に浸透しているのかもしれません。行き過ぎた平等観や、同調させるような強い圧などは、それらに似ているような気もします。

「和を以て貴しと為す」
元々の日本人気質とは何だったのか、二・二六の日に考えてしまいます。

二・二六事件の首謀者の一人である磯部浅一は、純粋に日本を愛し日本の未来を考えて、狂となった人でした。

国民よ 国をおもひて狂となり
痴となるほどに 国を愛せよ

磯部浅一

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