黒の作り方
9月6日は9(く)6(ろ)ということで、今日は日本の伝統染色である黒染めの日に制定されています。
ところで、黒という色はどうやってできているのでしょうか。
ポスターや雑誌などの印刷には、シアン(青)マゼンダ(赤)イエロー(黄)の3色を使って全ての色を再現します。実際のインクには理想的な反射特性がないため黒の再現性が難しく黒インクを加えた4色で印刷をしますが、原理的には青、赤、黄の3色であらゆる色を表現することができます。これを「色の3原色」といい、3色全てを混ぜると黒になります。
かたやテレビやスマホなどの画面には「光の三原色」が使われます。R(赤)、G(緑)、B(青)の3色を混ぜて色を再現する方法ですが、この方法は光が元となるので全てを混ぜると白になります。逆に全ての光を無くしてしまうと黒になります。
色(印刷)の視点から見ると、全てが在るところに黒ができ、光の視点から見ると、何も無いところに黒ができることになります。
真逆のことをやっているのに行き着くところは同じなのです。
光と影、白と黒、など物事をはっきり分けてそれぞれの視点からだけで判断すると物事の実態がわからなくなることがあります。物事は相反して相似であり、黒だと思っていることが実は白だったということもあるからです。
黒という色は物の見方を教えてくれます。