敬老の日を作った村

「日本の棚田百選」に選定された多可町の岩座神の棚田(いさりがみのたなだ)

今日、9月20日は敬老の日。1965年に国民の祝日として定められました(当初はハッピーマンデー導入前の9月15日でした)。

この敬老の日は、兵庫県の山奥にある村の人たちの思いがきっかけとなり生まれました。
時は昭和22年、戦中戦後を生き抜いた先人達は肉体的にも精神的にも疲れ果てていました。そんな時代を守り抜いてきた世代を労わるため、兵庫県多可郡野間谷村(現・八千代区)の村長、門脇氏の提案により、55歳以上の人を対象にした「敬老会」が9月15日に催されました。

当日は村中の自動三輪車が集められてお年寄りを送迎し、ご馳走でおもてなしをしたそうです。
お年寄りに敬意を払い労わることが一番の目的でしたが、知識や人生経験を教えてもらう場としての意味もあったそうです。

一昔前のことを思うと、祖父母の肩をたたきながらの何気ない会話の中から、子供達は人生のエッセンスを(その時はわからなくても)肌で学び、自然と年上を敬う心が育まれていったような気がします。
顔を合わせ、表情を見ながらの何気ない触れ合いのひとときに、相手を思いやり人生の糧となる大事なことが含まれています。多可町の先人達の年長者を思いやる心は、今、このような状況に晒されている私たちに大事なことは何かを教えてくれます。

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