稲田の神様?
人の姿を形どって鳥獣害避けに田畑に立てられるカカシ。本体は竹や藁で作り、古着を着せられたり帽子をかぶっていたり。作る人によって個性が表れ、様々なバリエーションが見られます。
古代、カカシは「そほづ」と呼ばれていました。これは日本神話に登場する少彦名命(すくなひこなのみこと)=久延毘古(くえびこ)の異名である山田之曽富騰(やまだのそほど)に由来します。
少彦名命は大国主命(おおくにぬしのみこと)と一緒に全国を廻って国造りをした神様で「足は行かねども尽(ことごと)に天の下の事を知れる神なり」とも語られています。足は行かねど。まさにカカシです。
風雨にさらされながらもとぼけた感じでちょこんと立っている様は、役に立っているのかどうなのかわからないような感じもありますが、古くから農業の神様として祀られてきました。その由来が少彦名命かと思うと頼もしく見えてくるような気もします。
古代から田んぼを見守ってきたユーモラスな神様です。