かりがね

雁は秋になると北方からやってくる渡り鳥です。カリカリ、かーんかーんという鳴き声が印象的で、秋の空に遠くまで響き渡ります。
その憂いを含んだ声は古代人の心にも響き、「雁が音(かりがね)」と呼ばれ、それが現代では雁そのものを指す言葉となりました。
雁が鳴くことを「名告(なの)る」ともいい、雁が音が響く空は秋の情景として愛されてきました。

ぬばたまの夜渡る雁はおぼほしく
幾夜を経てか己が名を告(の)る

作者不詳/万葉集

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