肌脱ぎ

蒸し暑くてたまらない高温多湿の日本の夏、着ている物を脱いで肌に風をあてると涼を感じられます。
「肌脱ぎ」は着物の袖から腕を抜いて、上半身裸になってくつろぐこと。夏の季語です。

これに似たような言葉で「一肌脱ぐ」があります。これは、力仕事をする際に着物の袖が邪魔にならないように片袖を抜いで片半身を出したことから、他人に自分の力を貸す(協力する)ということを意味します。

「肌脱ぎ」も「一肌脱ぐ」も着物があってこそ生まれた言葉。今では「腕まくり」でしょうか。けれども、洋服の裾をまくるのと、着物の袖を抜いて肌を露出させるのとでは、演出としては着物の方が色気があり、格好良く決まりそうです。
弓道にも「肌脱ぎ」という動作がありますが、着物から生まれた美しい所作は日常にたくさん見られたのかと思うと、和服がもっと普段着として気軽に着ることができればと思います。

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