菊の色目
四季の移り変わりを表す日本ならではの配色方法を襲色目(かさねいろめ)といいます。主に衣の表地と裏地の配色に使われてきました。
秋の襲色目に多く取り入れられているモチーフは「菊」です。単純に花の色だけではなく、菊の微妙な表情を配色の妙で表現しています。
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「白菊」は、白菊の花の色と葉の色を表しています。
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「白菊」と似たような配色に「葉菊」があります。これも花と葉を表していますが、裏地(葉)の色を濃くすることで、菊の葉を強調しています。
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「莟菊」は菊のつぼみを表した色です。
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「紅菊」は紅色の菊の花と葉を表しています。
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「残菊」は冬が近づき咲き残った白菊と黄菊の花を表しています。
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「移菊」は、寒くなり菊が雪や霜にあって段々と紫色に変化していることを表しています。
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「蘇芳菊」も移菊と同じく寒さで紫に変色している様子を表します。
菊の襲色目から自然に対する日本人の細やかな観察眼が見られます。