十三夜
お月見といえば十五夜ですが、もう一つ「十三夜」と呼ばれる日本独特のお月見があります。旧暦9月13日の夜が十三夜となり、2021年は今日、10月18日に当たります。
十三夜はちょうど稲刈りの時期と重なるため、秋の恵みに感謝しながら月を眺める風習がありました。空が晴れていれば十五夜に負けず劣らず素晴らしいお月様を見ることができそうです。
戦国時代の武将である上杉謙信は、十三夜を題材にしたとても風雅な漢詩を残しています。
九月十三夜陣中作
霜は軍営に満ちて 秋気清し
数行の過雁 月三更
越山併せ得たり 能州の景
遮莫 家郷の 遠征を思うを
上杉謙信
訳)
霜は我が陣営に満ちて、澄み切った秋の気配は清々しい。
雁が渡る夜空には、夜半の月。
越後越中の山々、さらには能登まで広がる景色。
故郷の家族が遠征を案じているかもしれないが、今はどうであろうとかまわない。
(ただこの美しい月夜を味わいつくそう)