〈霜降〉
二十四節気の一つ、朝晩の冷え込みが増して山里では霜が降り始める頃を「霜降(そうこう)」といいます。秋も一段と深まり、そろそろ冬の気配が少しずつ感じられるようになってきます。
この頃になると山も紅く色づいてきます。紅葉シーズンの到来です。
経(たて)もなく緯(ぬき)も定めず少女(をとめ)らが
織れる黄葉(もみぢ)に霜な降りそね
大津皇子
現代語訳にすると、縦糸とも横糸とも定めず少女(仙女)らが織り上げた美しい黄葉(もみぢ)にどうか霜よ降らないでおくれ、という意味になります。
秋の山の景色を、仙女が自由きままに織り上げた美しい錦のようだと賞賛した、飛鳥時代の歌です。