感謝の気持ちを届けるために、燃えた明治

豊川稲荷/最古の現役丸型ポスト

今日から年賀郵便特別扱いが始まります。毎年12月15日から郵便局では年賀状を受け付けて、25日までに投函された年賀状は翌年元旦に届けられます。年末の郵便物の混乱を防ぐために作られた制度ですが、初めからこのような特別扱いがあったのではありませんでした。

年賀状が普及し出したのは明治20年頃。日頃の感謝や普段会えない人への報告なども兼ねた年始の挨拶状は、礼儀礼節を大切にする日本人に大ヒット。当時は今のような早めに出す特別扱いがなかったので、元旦の消印が押されて相手に届くようにと狙って、年末と元旦に年賀状の持ち込みが大集中しました。あまりにも多くの人が持ち込んだため、郵便局はパンク状態。他の物流にも影響が大きく配達物の遅延が問題となったため、現在のような早めに出す制度となったのです。

メールやsnsの普及により、年賀状は年々減少傾向にあります。約100年前の明治にあれだけ燃え上がった年賀状熱。鎮火した原因はsnsだけではなく、心の温かさにも一因があるような気がします。

メールでもsnsでも、気持ちを込めたものは必ず伝わります。先人が大切にしてきた礼儀礼節の中にある真意とは何か。次の世代に伝えていけたらと思います。100年後にはどんな年始の挨拶になっているかを楽しみにして。

SHARE
  • URLをコピーしました!
目次