【5/23】田植え2日目
水を十分に入れたはずの田んぼは、所々に土が顔を出している箇所がある。素人ゆえに代掻きが上手にできず、田んぼが平らにならされていないため、高低差ができているのだ。田んぼの水管理が難しくなっているのを痛感しながら、2日目がスタートした。
今日は600㎡と900㎡、2枚の田んぼに田植えを行う。この日も皆で神社へ祈願に行き、鯛と苗をお供えした。お供えした苗は、子供たちが神社から田んぼへ運んでいく。
1枚の苗箱はかなり重く、10歳未満の子供なら3人以上でないと持っていられない重さだ。誰かが力を抜くと苗を落としてしまう。進行方向に歩いている人が後ろ向きに歩く子に坂道や段差を教えながら、一生懸命運んでいく。苗が田んぼに到着すると、2日目の田植えが始まった。
家族で来た人、会社ぐるみで来た人。田植えをしながら感じたことなど、それぞれの会話が田んぼのあちこちで広がる。
片方の田んぼでは両親が交代で赤ちゃんの面倒を見ながら田植えを行い、また別の家族は、小さな子供にこの苗が毎日食べてるご飯のお米になるのだと教え、別の田んぼではお腹に新たな命を宿したお母さんが見守る中、カエルを恐がる息子をお父さんがなだめながら、田んぼに入る。子供も大人も必要以上に泥まみれになりながら苗を植えていった。
昼食は村に伝わるぶんどう豆ご飯を朴葉で巻いた物と、淡路島の鰆を中心に村で採れた物を、お弁当にして皆で食べた。田んぼがある広島県安芸太田町津都見では、ぶんどう豆ご飯でおにぎりを作り朴葉で巻いたものを、田んぼにお供えして神様を迎えるといった習慣がある。この日のおにぎりは、村の長老が20年以上種を受け継ぎ育ててきたぶんどう豆で作ったのだ。お供えの鯛は塩焼きにして、小さな子供も大人もみんなで一口づつ頂くことに。
川原で食べる人、木陰で食べる人。それぞれが思い思いの場所で同じ物を食べ、仲間と労をねぎらい、違う地域の泥落としを味わいながら、何を感じたか・・・それぞれ思うところがあっただろう。
14時30分、予定よりも早く田植えを終え、八百屋を営む方が持って来てくれた大きなスイカを川原で切り分け、田植えの成功を喜んだ。プロから見ると成功とは言えないかもしれないが、素人だけでここまでこれたことに意義がある。
今回の米作りの監修をしてくれている兵庫県姫路市夢前町の農家、ファームハウス代表の飯塚氏に代掻きの動画を送った所、「全く代、掻けてへんな!素人やししゃーないよな」と言われたことを思いだしながら、この日は終了した。
はたして素人だけで収穫までたどり着けるのだろうか。収穫までの道のりは遠い。